スノウ・ライト 5 - 7
(5)
ピンポン・パンポン♪
売店でパンフレットをお売りしております。一部555円でございます。
また役者の写真テレホンカード、ポストカードを多数そろえております。
売り切れが予想されますので、ご購入される方はお早めにお願いします。
じりりりりりりりりり!!
まもなく第二部の前編が開演いたします。どうぞご着席ください。
場内では騒がないよう、また役者に触れないよう、お願いいたします。
触れた方は即刻警備員によって場外へと追い出されますので、ご了承ください。
またこの会場に相応しくないと判断された方も同様の処置を取らせていただきます。
それでは『スノウ・ライト』をお楽しみください。
(6)
ヒカル姫の入った小屋は、実は森の小人たちが住む家でした。
ベッドが七つあります。ヒカル姫は疲れていたので、その一つに横たわりました。
そしてスヤスヤと眠ってしまいました。
さて、仕事を終えた小人たちは帰ってきて、大変驚きました。
たいそう美しい少年がしどけなく眠っていたからです。
七人の小人たちの名は、ワヤ、オチ、フク、イイジマ、ホンダ、コミヤ、アダチです。
最後の二人は名前のみの数あわせなので無視してください。さばききれませんから。
「おい、誰だよコイツ。可愛いじゃん」
頬を赤らめたワヤはオチに問いかけました。オチはまったく冷静そうに首を振ります。
けれどその指は無意識に自分の股間をトントンと叩いています。
「知らないよ。ワヤ起こしてみたら」
「ボクが起こすよ〜」
ぷっくりと太ったフクがヒカル姫に近付きます。それをホンダがとめました。
「ここはおれが起こす。みんなは出て行ってくれ」
そう言いながらベルトをカチャカチャと外し始めました。
「あ! ズルイぞ! 俺だって!」
ワヤが割り込みます。いっせいに七人の小人たちが騒ぎ始めました。
「うるさいなァ!」
ヒカル姫は目を覚ましてしまいました。
みなはいっせいに息をのみました。眠っているときも心を奪われましたが、起き上がって
自分たちを見つめてくる瞳には誰をも魅了する輝きがあったからです。
(7)
かくかくしかじか、事情を説明しますと、小人たちは快くヒカル姫を迎えました。
ヒカル姫はすぐになじんでいきました。
ワヤはちょっぴり怒りん坊ですが、面倒見のよい小人です。
オチはお金をたくさん持っています。実は隣国の王子とちょっとしたつきあいがあると
囁かれていますが真相は分からず、そのキノコ頭は謎に満ちています。
フクは食いしん坊で、のんびり屋です。
イイジマはよく眠り、寝起きは不機嫌です。たまに「ばっかじゃねーのっ」と切れますが、
たいして怖くないので誰も気にしません。
ホンダは見かけは強そうですが、実は泣き虫です。
コミヤ、アダチは除外します。
小人たちはヒカル姫のその愛らしさにやられていましたが、暗黙の協定をつくり、誰も
抜け駆けをしないようにしました。しかしみなは虎視眈々と機会をうかがっていました。
さてヒカル姫は家の留守番を任されました。しかし寂しくはありませんでした。
なぜなら頻繁に小人たちが帰ってきてくれるからです。今日はフクが一番に来ました。
「わあ! ショートケーキだ!」
「うん、一緒に食べようと思ったんだ〜」
フクのくれるケーキをヒカル姫はとてもおいしそうに食べます。
「このイチゴ美味しいなあ」
「じゃあボクのもあげるよ」
ぽんとヒカル姫の口の中にイチゴが投げ込まれました。
「悪いな」
「ううん、ボクはこっちのイチゴをもらうから」
そう言うとフクはヒカル姫の胸紐をほどき、その薄いピンク色の乳首に触れました。
「え? 何するんだよ! ぅんっ」
ぱくりとくわえられ、ヒカル姫は思わず喘いでしまいます。
「ヒカル姫のイチゴ、とてもおいしいよ〜」
フクが舌先で転がすと、ヒカル姫の乳首は赤く色づいてきました。
唾液で艶やかに光るそれは、まさしくイチゴです。
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