クチナハ 〜平安陰陽師賀茂明淫妖物語〜 51


(51)
僅かな空気の動きすら感じ取れるほど全神経を集中させたそこに、
くっと何かが押し当てられた。
「ンッ」
やはり、と息を呑み身を固くした明だったが、押し当てられた物はそれ以上進んで来ない。
「・・・・・・?」
明は恐る恐る目を開いた。
折り曲げられた己の脚の向こうで、
その脚を肩に載せ抱え上げた緒方が何か真面目な顔で覗き込んでいる。
「・・・どうだ?」
どうだとは――何の話だ。
手を伸ばして探ってみると、緒方の手によって何か乾いた薄い物体を
後門の入り口に押し当てられているのが分かった。
「・・・紙?」
「例の御符だ。おまえの体との距離が御符の効力に関係するなら、
つまりおまえの中に入ってるそいつに近いほど効くってことだろう。
だから、そいつに一番近いココに当ててみたらどうかと思ったんだが・・・」
「あっ・・・」
邪まな目的のためではなく己を助けるために、緒方はこんなことをしたのだ。
「す、すみません。ボク・・・」
「・・・中の具合はどうだ?」
 
 



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