無題 第2部 51


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「まだ時間ちょっとあるし、オレ、もっかい寝る。」
走って家まで帰ってきたヒカルは、そう言って階段を駆け上がり、ベッドの上に音を立てて
倒れ込んだ。
まだ心臓がドキドキいってる。走ってきたせいだけじゃ、ない。
「オレ…おかしいのかなァ…?」
ベッドに伏して、顔だけ横を向けてそう呟いた。
―さっきまで、アイツがそこで寝てたんだよな。
きちんと畳まれた布団を見て、ヒカルはアキラの寝顔を思い出した。
安らかな、キレイな寝顔。ピンク色の唇。風になびいて揺れる髪。
ドクン、と心臓が大きく脈打った。
そのまま、ヒカルの片手が股間に伸びた。
触れてみた耳は、熱かった。アイツの身体も、あんなに熱いんだろうか。
思いがけなく手に掛かった髪はサラサラと心地良い感触で、いい匂いがした。
あの黒髪を思いっきり乱してみたい。
あの柔らかそうな唇に触れてみたい。
あの熱い身体を抱き締めてみたい。
ヒカルの手に熱が篭る。
「あっ…とう…やぁ…っ」
絶頂で彼の名を呼び、ヒカルは自分の手の中に放った。

ぐったりとベッドに横たわるヒカルに、階下から母の声が届いた。
「ヒカル!?ほんとに寝ちゃったの?あんただって学校行くんじゃないの!?」

―何やってんだ、オレ…朝から2発も…しかも、男相手に…
行けるもんか、学校なんか。こんな状態で。



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