Shangri-La第2章 51
(51) 寝返りを打とうとしたが、妙に狭くて、ふっと目が覚めた。 薄目を開けても周囲は真っ暗だ。 (―――ああ、塔矢か…) 二人でただ並んで横たわっているだけというのが、不思議だった。 アキラの首の下から腕を通して、頭をかき寄せると 髪になじんだシャンプーの匂いがふわりと鼻先を掠めた。 (あー、いー匂い…温ったけー………) もう一度、アキラを抱き寄せるようにして ヒカルは気持ち良く目を閉じた。