失着点・龍界編 52 - 53
(52)
「…っ!」
指は不規則なリズムで時々向きを換え、時には半回転しながら抽出を
くり返す。唇を噛んだアキラの口から微かに強い呼気が漏れる。
同時に、沢淵がアキラのペニスを口に含んで吸いたてる。
「っう…っ!」
ビクッと最初の一瞬だけアキラは四肢を突っ張らせた。だが、歯を噛み締め、
体の両脇の両手でシーツを握りしめなんとか無反応の状態を維持する。
それでも局部では明らかに今までと違って確実に変化が起きていた。
「…ほお、子供だと思っていたが、なかなかのモノじゃないか…」
色付きこそ淡いまでも、大きく張り詰めて来たその部分は充分成年の
大きさを持っていた。
指で集中的に前立腺を刺激されて沢淵の口の中でアキラ自身は限界近くに
固く張り上がり、青臭い蜜を溢れさせていた。狭道の奥はわずかな指の動きにも
反応し締め付けようと蠢く。
「こいつはそこらの女よりも具合が良さそうだな…。」
沢淵は、アキラは決して感度が鈍いわけではなく、むしろ非常に鋭い触感の
持ち主だと思った。だが今はその部分と上半身は完全に精神力によって
切り離され、アキラの表情は陶器のような透明な白さと孤高さを
保ち続けている。呼吸すら乱すまいとする意思の強さに沢淵は敬服すら
する気になった。
「なかなか良い声を聞かせてもらえないようだな…」
指が2本になり、尚も深い部分と敏感な部分への執拗な刺激が続けられた。
「っ…!」
沈黙した状態のまま、アキラは急速に駆け上がらされていった。
(53)
アキラの胸部が反り上がり、沢淵の口の中で弾ける。
両膝が沢淵の体を締めるように閉じる。
それでも沢淵は刺激を与えるのを止めず、むしろ激しくする。
「…っ!…っ!」
声こそ必死でかみ殺していたが、アキラの全身から汗が吹き出し、
電気ショックを受けているように痙攣を続ける。
それでも断崖の崖っ淵に片足で立つようにアキラは留まり続ける。
決してお前の手には落ちないと、無言で耐え難い刺激に耐えるアキラに、
離れた場所で様子を伺う見張りの男も圧倒され息を飲む。
「すげえ…あんな気の強えガキ、初めてだな…」
大抵の少年はとっくに泣叫び沢淵から逃れようともがき暴れ狂うところだ。
狭道の奥が再度脈打ち、沢淵の口の中に2度目が放たれた。
指はその位置のままに沢淵は口を離し、アキラの様子を見る。
汗で額や頬に髪を張り付け、立て続けの射精にぐったりとしながらも
あくまで平静を装おう最初のままの顔がそこにあった。
「やれやれ、プライドの高い“お人形”さんだ。だが感度は申し分
ないようだ。…さて、朝までに何回イケるかな…。」
脅すような沢淵の言葉にもアキラは眉一つ動かさなかった。
その時ドアが小さくノックされ、見張りが覗き窓で確認してドアを開けた。
部屋の中に後ろ手に縛られたヒカルが抱えられるようにして連れて来られる。
「おいおい、せっかくの美人さんが台無しじゃないか。」
ヒカルの顔を見た沢淵が思わず呆れたように声を荒げる。
顔を上げたヒカルは自分の目に入った光景に思わず言葉を失った。
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