初めての体験 54


(54)
 緒方は、自分の隣で安らかな寝息を立てている少年を見て、溜息をついた。
『どうして、こんなことになってしまったのだろう…。』
実をいうと、昨夜のことは、何も覚えていない。記憶がなくなるほど飲んだのに、
できたのだろうかと言う疑問もあった。だが、現実に裸の自分の隣に、
裸の少年が眠っている。
『まさか…本当にオレは…こんな子供とやってしまったのか?』
逡巡しているうちに、少年が目を覚ましてしまった。
 「緒方先生、おはよう。」
少年が大きく伸びをしながら、緒方に挨拶をした。
「お…おはよう…進藤…」
緒方は、ヒカルの顔をまともに見られなかった。話そうとしたが、顔が引きつる。
酒の上の過ちとはいえ、取り返しがつかない。



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