誘惑 第三部 55


(55)
「……わかった。今日はアキラの奢りだ。思いっきり呑んでやる。」
「えっ?」
慌てたアキラに、
「そうだな。」
緒方が冷静に応えた。
「じゃ、次は何頼もうかな。ちまちま頼むのも面倒だからボトルで行くか。どうせアキラの奢りだしな。」
芦原は浮かれたように鼻歌を歌いながらメニューを眺める。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、本気なんですか?」
「当たり前だろ。ねぇ、緒方さん。」
「当然だ。ホラ、芦原、何でも好きなの頼んでいいぞ。」
「そんな、ひどい、ボクが一番年下なのに…二人とも大人のくせに、子供にたかる気ですか?」
「うるさい、こんな時だけ子供ぶるんじゃない。」
「そうそう、一番シアワセなヤツが奢るもんだ。それが世の習いってもんだよ、アキラくん。」
「んじゃ、アキラと進藤君の前途を祝して、それからオレ達にも幸せな明日が来るように、
景気よくドンペリでも頼むか。」
「何言ってんですか、あるわけないでしょ、こんな居酒屋に。
もうっ!緒方さんも、笑ってないで何とかしてくださいよ!」



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル