失着点・展界編 56


(56)
背中にかかる温かいシャワーが、心地よかった。
まだ夢見心地で足元がおぼつかないヒカルを支えるようにして立たせ、
緒方がヒカルの体を流していた。
「…気持ち良かったか?」
緒方の問いかけをぼんやりしていたヒカルはコクンと素直に頷き、ハッと
なって真っ赤になった。緒方がクスッと笑う。
「正直だな。」
「…でも、緒方センセイは、まだ…」
ヒカルは遠慮がちに視線を下に向ける。先刻迄の程の凶悪さ(?)はなかった
が、それなりの質量を維持したままの緒方のその部分が見える。
ベッドの上で、緒方が急速に動きだして間もなくヒカルは弾けた。
緒方は迷ったようだった。まだ、緒方が到達するには間がなさ過ぎた。
だが、ヒカル自身からは手が離されたが、体の深部で動き続けられる事は
ヒカルにとって酷であった。動きを緩めてもなお塞がれた唇を振払って
全身を痙攣させ半狂乱のように喘ぎ続けるヒカルが痛々しくて緒方は
中断したのだった。
「子供はそんなことを気にしなくていいんだ。」
緒方はヒカルのほっぺたをきゅっと摘んだ。
「…どーせ子供だよ。」
ヒカルは口を尖らせてそっぽを向く。ただ一つヒカルが気になる事は、頂点に
達した直後、頭が真っ白になって自分が何か口走ってしまったような気がする
事だった。
…と、う、や、…と。



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