クチナハ 〜平安陰陽師賀茂明淫妖物語〜 58


(58)
「あ、ああ。そりゃ助かるけど・・・」
急な展開とどこから響いてきたのか分からない不思議な声に面食らって、
光はどぎまぎしていた。
「助かるけど、なんや!ぜーたくゆうとると案内したらへんで!
これだから都の人間は勿体ぶっててやらしい云うんやー」
噛み付くように男が云った。
その様子が意外と子供っぽく見えて、顔立ちは大人びているが
もしかしたら己や明と同じくらいの年なのかもしれないと光は思った。
「いや、その・・・そのお師匠さんって、オレの探してる人なのかなと思って。
オレが会いに来たのは、吉川上人っていう・・・」
「しっ師匠は師匠やー!文句云わんとさっさとついて来ーや!置いてくで!」
言い捨てると、少し大人びて見える白銀の髪の少年はくるりと背を向け、
ガサガサと枯葉を踏み分けて歩き出した。

「あっ、待っ・・・」
光が声をかけても、少年が足を止める気配はない。
少し不安は残るが、今夜はもうこの少年について行くしかなさそうだった。
――だがそれならその前に一言、
「な、なあちょっと待ってくれよ!おいっ!」
「・・・なーんや」
うるさそうに少年が振り向く。
歓迎されていない雰囲気をひしひしと感じ取りながら、それでも光は云った。
「・・・ありがとう。オレ、立ち入り禁止の所に来ちまったのに、案内してくれて。
ホント、ありがとなっ!」



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