失着点・龍界編 59


(59)
「このガキが!!」
頭突きを受けた男が手で顔を押さえベッドを乗り越えてアキラの腕を掴んだ。
「あ…っ!」
ヒカルに触れる直前でアキラの指先が止まる。そのまま男は強い力で
引き戻すとアキラの顔を持って額を壁に叩き付けた。
ガッと鈍い音がしてずるずるとアキラは壁伝いに床に倒れた。
タオルの下でヒカルは叫んだ。
「塔矢になにしやがる!!」
ヒカルに代わってそう叫んだのは和谷だった。
緒方に続いて部屋に飛び込んで来た和谷と伊角がその男に飛びかかった。だが
男の襟首を掴もうとした和谷は顔を殴られてベッドの上に吹き飛ぶ。
「和谷になにをする!!」
伊角が腰にタックルして男を壁際に押さえ付ける。
「な、なんなんだこいつら!!」
組み付かれた男は両手を合わせ握り込んで伊角の背中に打下ろす。伊角は一瞬
衝撃で息が止まるが手は離さなかった。
男は二度三度伊角の背中に打下ろすが伊角は離れなかった。
「伊角さんナイス!」
和谷が切れた口の端の血をぬぐって再度飛びかかり二人がかりで男を
床に押し倒す。とにかくケンカらしいケンカの経験がない二人に取っては
それがせいいっぱいだった。
馬乗りになり、とにかく動けないように男を押さえ付けた。
「三谷!進藤と塔矢を頼む!」
和谷は玄関のドアの所に立っている三谷に向かって叫んだ。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!