ヘタレ 6 - 10
(6)
指一本位では苦痛はないだろうと、根拠の無い自分勝手極まりない考えが出、
わけもわからず一心不乱に進藤の中を指で犯す。
進藤は初めての感触に、声が出ず、ただ、涙目で俺を見上げる。そんな表情が
より俺を興奮させるって事が解ってるのか。わかってないだろうな。
恐らく助けを求める眼差しだったが、俺は都合の良い様に「感じてしまってるオレを
助けて」と求める眼差しだと解釈し、進藤の前も解放に向かわせるべく扱き始める。
「ッ…ヤダ、やだよぉいすみさん…」
この時点で否定の言葉なんか、意味は無かった。
中学生に俺の(歳の分だけ培った)テクニックはきつかった様で、あっという間に昇りつめる。
吐き出される白濁液。
学生服と白濁液のコントラストを美しいと思った。
……しかし、ここで終わりではない。
確かに進藤は終わったが、俺はまだだ(射精寸前だったが)。
後ろに入ったままの中指の腹で中を撫で上げ、快感の中をたゆたう進藤を現実
の世界に引き戻す。
指一本では苦痛は無い様だが、流石に自分のモノは無理だろうと冷静に考える。
やはり濡れていた方が良いのか?
しかし、人体の構造上、体液で自然に濡れるというのは男には在り得ない。
考えた末、進藤が先ほど吐き出した、進藤自身の体液で後ろを解すという結論に達した。
黒と白のコントラストを崩すのは残念だったが、仕方が無い。指の腹で白濁液をすくい、
挿入する為の場所をほぐし始めた。
(7)
指先の感触から、大分ほぐれたと思われる。
とうとう、進藤に、俺が…いかん、考えただけで出してしまいそうだ。
息を止め、気合を入れる。入れた瞬間果ててしまわない様に。
俺の真剣な目付きを見て、悟った進藤が逃げ腰になる。
そんな進藤の腰を固定し、一気に突き入れる。
「ひゃあぁあッ!イヤだ、伊角さんッ無理だよ、あ、ぁぁあぁ…!」
キツイ。進藤の中は快感とは程遠い圧迫感しか与えてくれなかったが、
進藤に挿入しているという事実が俺に快感を運んできた。
嬉しさの余り、中で動く、という行為を忘れ進藤を抱きしめる。
「好きだ、好きなんだ、進藤。」
改めて告白し、更にきつく抱きしめる。
この瞬間だろうか。俺は果て、進藤を胸に抱き気を失った。
気がついた時には、進藤の姿は既になく、こんな時間に棋院に向かったとの事だった。
オレは二人で碁を打っている中、疲れて眠ってしまったという事になっているらしい。
流石にそれは無理があるだろ、と心の中でつっこんだが、進藤の母親は気にしていないらしく、
その日は進藤の家に泊まる事になった。
(8)
その日の遅い時間に進藤は帰ってきた。すっかり意気消沈した様子で。少し胸が痛んだ。
そんなに酷いことをしてしまったのだろうか。夜に家を飛び出して行く位な。
冷静に考えれば、これ以上ないってほどの酷い事だよな。言ってみれば強姦だ。
イヤ、進藤も感じてたじゃないか。俺の手で果てたのだ。かといって和姦とも言い切れないが。
寧ろ、これはセックスと言えるのか?性行為ではあるのだが、根本的に何かが違う様な
気もする。ん?セックスじゃなかったらセーフ?
そんな感じで思考は、迷路の奥へ奥へと勝手に進んで行く。
進藤は進藤で俺の出方を待っているのか、神妙な顔つきで俺の方をずっと見ている。
「進藤…あの、さっきは、」
「………」
「お前が怒るのは解る。でも、信じてくれ。俺が進藤を好きだって言ったのは本当で、」
「……」
…そりゃあ怒るよな。何を話せば良いのか、何を話しても言い訳くさく聞こえる様で焦ってしまう。
言い訳なんかじゃない、俺は、本当に進藤が好きで。
でも、何を言っても進藤は答える気配がない。
今日は諦めた方が良さそうだな…風呂の用意までしてくれた進藤の母親には悪いが、
帰る事にした。
…帰る、というより逃げ出す、という状態だな。
(9)
「無理矢理、…したのは謝る。今日は、帰るよ。」
その瞬間、はっとした顔。
「…でも、かあさんに、今日伊角さん泊まるっていっちゃったし…」
聞こえるか聞こえないかのごく小さな声でたどたどしく答える。
…居て、いいのか?あんなことした俺だぞ?
今度は俺が言葉を失う番だった。
「いてほしいんだ。」
今度は、はっきり。聞こえた。幻聴じゃない。
「一人でこの部屋にいたくない…」
進藤が、俺を、求めてる…?
「ダメ…」
「駄目じゃない!!」
すかさず答える。ああ、進藤、進藤、進藤!!
堪らず抱き締める。そのまま勢いでキス。一瞬驚いた様な顔をしたものの、
今度はちゃんと薄く唇を開ける進藤。舌を入れ、中を舐め、熱い息を飲み込む。
さっきの進藤の言葉が頭の中をぐるぐる回っている。その、言葉の一つ一つが
俺の理性を崩していく。
もう勃起していたが、隠そうなんて思わない。そんな必要が無い。
進藤の足を割って自分の足を深く入れ、腿を押し当てる。
硬く、なっていた。
進藤も、勃起していた。
(10)
俺は興奮からか、完全に息が上がっていた。
自分の腿を使い、執拗に進藤に刺激を与える。
キスとキスの間、進藤は溺れてしまったかの様に息を吸う。鼻ですればいいのに、
と言ったら出来ないよと答えた。可愛いな。
もう、我慢出来なくて。イヤ、一回出したんだけど、こんなに可愛い進藤が目の前に
居るんだ。起たない方がおかしい。
キスをしながら進藤の服を着々と脱がせてゆく。露になっていく進藤の姿態。
真っ白な肌に俺が今日点けたキスマークが一つ、首筋に。
同じ場所にもう一度口をつけ、深く、深く、吸う。消えないように。ずっと、消えない様に。
ベットに仰向けに寝かせ、上に圧し掛かる。首筋から乳首、腹と、舌を這わせて降りていく。
進藤自身に差し掛かった時、進藤が慌てて起きて「イヤだよ、伊角さん、汚いよ」。
バカだなぁ進藤。お前が汚い筈ないじゃないか。軽く進藤にキスをして、改めて進藤自身へ。
舌をつけた瞬間、心配そうにこっちを見ていた体が、海老反りになり、ひゃぁぁ、と切なげに
声を上げる。口に含むと、更に可愛い声を上げ小刻みに全身を震わせる。
男のものを、自分と同じものを口に含んで嫌悪感を抱かない自分をおかしいと思いつつ、
進藤のものを吸う。
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