平安幻想異聞録-異聞- 6 - 10
(6)
自身を座間の舌にゆるりと舐めあげられ、ヒカルが抵抗を再開する。
無駄と知りつつ、体をよじって振り払おうとせずにはいられなかった。
「…っ! …畜生!やめろよ!この変態!放せっ」
「いちいちうるさい肴じゃのう。これでは集中できぬわ。顕忠!」
「はっ、ただいま」
菅原は一礼すると、果敢に自分をにらみ据えるヒカルの顔近くにかがみこみ、
手早く狩衣の切れ端でヒカルの口にさるぐつわをしてしまった。
「う、う〜〜〜っっ!!」
「しかし、これでは、儂のをくわえさせることは出来んのう。残念じゃ」
「いたしかたありません。この様子では、くわさせても座間様の大事なものを
食いちぎるいきおいです」
「とんだ毒魚じゃな」
「まこととんだ毒魚で」
「どれ、では佐為殿さえもまだ味わったことのない肴の味をゆっくり
吟味するとしようぞ」
座間の舌がゆっくりと、ヒカルの薄い茂みの上からヘソの下にかけてを舐めあげる。
同時に、後ろの門に入ったままだった座間の指がさらに奥へと侵入する。
ヒカルが嫌がって体をよじるのさえ、座間は楽しそうだ。
座間の指が中でくいっと曲げられ、ヒカルの前立腺を内側から、
ほとんど直に刺激する。
いままで感じたことのない直接的な快感は、一瞬にしてヒカルの背筋をかけのぼり、
ヒカルは体を弓なりに反らせた。
「こらこら、あまり跳ねるでないぞ」
そう言いながら、座間はヒカルの肌を舐め上がり、ついに胸にの小さな果実を口に含み
舌で転がしはじめた。
そうしながら、中の指をうごめかして、ヒカルの性感を刺激することも忘れない。
「………っっ!!」
さるぐつわを噛まされているため、声をあげることさえ出来ないヒカルは、ただ
イヤだという意思表示をするために頭を左右に振ることしか出来なかった。
座間は口の中でヒカルの胸の突起を転がしながら、中に入れる指を2本に増やす。
痛みにヒカルの体が跳ね、、まなじりにうっすらと涙が浮かんだ。涙は痛みの為ではない。
屈辱のためだ。
「お味の方はいかがです?」
訪ねる菅原に、一時ヒカルの肌から顔をあげた座間は
「甘いな」
と返す。そして次には、ヒカルのまぶたの端に光る涙のつぶもその舌で舐めとると
「こちらはしょっぱいな」
と笑う。笑いながら、2本を飲み込むのさえ精一杯だった秘門に3本目の指をねじ込んだ。
ヒカルの布を噛まされた口から声にならない悲鳴がもれ、秘門の端は切れて、
血をにじませた。
(7)
痛みからのがれようと、ふたたび暴れだしたヒカルの体を
その体重を使っておさえつけ、座間は3本の指をヒカルの中でうごめかす。
舌はこんどはヒカルのふっくらとした幼さの残る頬を這いずっていた。
頬から耳へ、耳の裏も表も一通りねっとりとシャブリつくすと、
今度は耳の後ろから首筋へ。
ゆっくりと味わい尽くしてゆく。
その感触に嫌悪感を抱きながら、徐々にヒカルの息はあがっていった。
ヒカルの体奥深くで蠢く3本の指がそうさせるのだ。
痛みはひかない。むしろズキズキとヒカルの体をさらにさいなむ。
だが、秘門の中のその1点を攻められれば、人間の生理現象として、
快楽がその体を反応させるのだ。
「ほう、立ち上がってきておるではないか」
座間がヒカルのまだ幼いものをなでる。
ヒカルの体が朱にそまっているのは、もはや悔しさのためだけではなかった。
座間の中に入った人さし指が、グッとその場所を強くこすった。
「………っっ!」
ヒカルの喉から、喘ぎとも悲鳴ともとれる声があがって消えた。
ヒカルの中心部は本人の意思に反して更に立ち上がる。
「良き眺めじゃ。佐為殿も、この肴を食わずに据膳にしておくとは、
まことに惜しいことをする」
言いながら、座間は腰をヒカルの太ももの間にいれてきた。
着衣をはだけると、そこには赤黒く太い蛇の頭のようなものが、
弓なりに天へむかって反り返っていた。
(8)
体の中からようやく引き抜かれた指にヒカルがほっと息着く暇もなく、
座間は腰を据えると、思い切りよくグイとその熱い鉾をヒカルの秘門に突き立てた。
痛みとその熱さにヒカルは身をよじって逃れようとするが、
座間はヒカルの肩をがっしりと地面におさえつけてそれを許さない。
そのままグリグリとかき回すようにして、座間のモノはヒカルの中に侵略してきた。
ヒカルは痛みに悲鳴をあげて首を振ったが意にかいして貰えるはずもなく、
やがて座間は、そのほとんどをヒカルの中に埋め込んでしまった。
痛みのための汗と涙でぐっしょりとぬれたヒカルの頬を、座間が薄ら笑いを浮かべながら
舐めあげる。
「ここまでくれば、極楽浄土は目の前だよ、検非違使どの」
言うが早いが、座間はゆっくりとその腰を揺すり始めた。
ただ抜き差しするだけではない。
ヒカルのイイ所をこすりあげるように、強く弱く腰を揺さぶる。
その刺激に、挿入の痛みで一度は萎えてしまったヒカル自身も、ふたたび頭をもたげ始めた。
体の奥深くまで侵入され、なんども熱いものでその部分を刺激されるうち、
ヒカルの下半身から痛み以上のものがはい上がり始めた。
裂けて血を流し続けている秘門はヒリヒリと痛みをうったえ続けていたが、
ヒカルの背筋を這い登るのは、今やそれ以上の……
「……あ…」
ヒカルの口から思わず知らず、小さな喘ぎ声が漏れた。
自分でもそれに気づいたヒカルは、あわてて喉の奥から込み上げてくるそれを
押さえ込もうとするが、一度、快楽を拾い始めた体はもう歯止めがきかなかった。
誰だって、痛みより快感の方がいいに決まっている。
ヒカルの体は痛みを忘れるために、神経を体の中心を擦られる快楽の方に
集中させることにしたらしい。
「どうやら、佐為殿の気に入りの検非違使の体は、快楽に素直なたちと見える。
初めてでこれだけの反応をかえすとはのう」
座間のその言葉が悔しくて、ヒカルはせめて歯をくいしばって、漏れでる声を抑えようとしたが、
布を噛まされた状態ではそれもできず、ただ、喉からこぼれる、自分のものとも思えない
細いあえぎ声を聞くことしかできなかった。
目じりから流れ出る涙が悔しさの為のものか、快感の為のものか、
すでに自分でもよくわからなくなっていた。
(9)
「う…うっ……うん………あ…」
座間は感じ始めたヒカルに気をよくして、ますます激しく腰を振り立てた。
ヒカルの体の中心のモノも、いまは完全に立ち上がり、
自分の上の座間の腹にこすられている状態だ。
右に左に強く弱く、1番感じやすい場所をを、様々な角度から熱い槍で突かれて、
そのたびにヒカルは短い悲鳴のようなあえぎ声をあげた。
もはや、その喘ぎ声を止めようとさえしていない様子だった。
おまけにそこを攻撃されるつどに、
ヒカルがビクリビクリと秘門の入り口をきつく締め上げるものだから、
座間はそのヒカルの内壁に締めつけられる快感を、少しでも
多く得ようと執拗に攻め立てる。
「良き味じゃ、良き味じゃ」
自分の上で、座間がそう言ってはしゃぐのを、ヒカルは朦朧とした意識のうちで聞いていた。
声が出てるのは知っていたし、
それが更に座間を喜ばしているのもわかっていたけれど、
もう自分ではどうしょうもなかった。
座間の腰の動きがさらに強く乱暴になった。終局が近づいているのだ。
1番感じる箇所が、さらにひと突きごとに強く圧迫される。
「うっ、うぅっ、う〜〜〜っっ!」
ヒカルは座間の最後の攻めに首をふりたて、さるぐつわを噛まされた口で
くぐもった悲鳴をあげる。
次の瞬間、ヒカルは我慢することもなく、精を外に解き放っていた。
ほとんど同時に座間も熱槍をきつく締めつけられ、その熱い体液をヒカルの中に解き放つ。
ぐったりと体を弛緩させたヒカルの上で、座間は肩で荒い息をついていた。
「ふぅー、ふぅー、この小僧、儂をここまで消耗させるとは、
初めてにしてはなかなかやるではないか。
まこと、このまま佐為の元に返すには惜しい、惜しいぞ」
「ほう、百戦錬磨の座間様にそこまで言わせるとは、ただの検非違使ふぜいと思いきや、
たいした器ですな。佐為殿に話してゆずらせますか?」
そういう菅原に、座間は息を整えながらニヤリと笑い返した。
「いやいや、今この場で、わしのことが忘れられぬよう、この体に刻みこんでやるわい」
意識を手放しかけていたヒカルは、まだ自分の中にある座間のモノがふたたび
ズクリと熱を持ち固くなるのを感じた。
(10)
(いやだ!)
ヒカルが抵抗しようと思う間もなく、ふたたび座間の陽物が中でゆっくり動き始める。
それは先程のように、強く蹂躙する動きではなく、
じっくりと肉壁を味わうような動きだった。
すでに固さも太さも取り戻した座間の肉鉾に、反抗心より先に
身のすくむような怯えを感じた自分を、ヒカルは恥じた。
せめて腕の一本でも自由になれば、その手を座間の首にかけて
くびり殺してやることも出来るのに…あるいは、座間の腰の太刀に手を伸ばし…
だが、ヒカルがそんなことを考えていられたのもそこまでだった。
内壁の最も性感が固まっている部分を、座間が自分の固いもので
グイグイと圧迫してきたのだ。
頭までズンズンと突き抜けるようにそこから送りだされる快楽の波に、
ヒカルは思わず息をつめる。
先程まで、乱暴にヒカルの中を行き来していた座間の陽物は今度は入念さを持って、
肌の上を這っていた手は奥底の快感を掘り起こすような淫猥さをもって動き始める。
ヒカル自身の意志とは裏腹に、ずっと刺激され続けていたヒカルの内壁は、
熱をもって、更に次の刺激を待ち受けていた。
座間の思い通りにはなるまいと、ヒカルは跳ねる体をおさえようとするが、
その打ち寄せる波のように意識を侵食してくる感覚に、ヒカルの中心はすでに頭をもたげ始めていた。
せめて先程のようには声をあげるものかと、ヒカルは必死で奥歯を噛みあわせ、
腹の奥からこみあげるものに耐えようとまゆ根を寄せたが、その表情さえ、
座間を楽しませるだけだったらしい。
「はてさて、どうやら、せめてもの意地で声だけはあげぬつもりと見えるな、
この愛らしい検非違使殿は。
その意地がどこまで持つか、ためさせてもらうとしよう」
|