平安幻想異聞録-異聞- 番外 6 - 10


(6)
ヒカルは新たな涙を目ににじませた。もう、何もわからなかった。
今まで自分が言おうとしていたことも。男の笑い声も。苦痛も。
わかるのは自分の体を刺し貫く快感だけだ。
男に揺すられるままに嬌声をあげる。
「あぁ、やっ、やっ、ひっ、あっっ、あ…」
水がかき回されるような淫猥な音をさせて、ヒカルの秘門の中からにじみ出た、
今までの男達の精液が、男の陽根と秘門のとば口との間で、
血と混じりあって泡立っている。
ヒカルの瞳にあらたな涙がにじんでいた。
男は更に息をあらげ、自分の腰を動かすだけでは飽き足らず、
ヒカルの腰もがっしりと掴んで、それを律動にあわせて自分の股に
おしつけるようにしていた。
「あぁ、あぁ、あん、ひっ、あっ、あっ、あぁ!」
ヒカルが首を強く打ち振り、涙が夜風に散った。
「あまり激しくして壊すなよ」
横から男の誰かが横槍をいれたが、無視して男の動きはさらに強引になり、
より強い衝撃が幼さの残るヒカルの肢体を襲う。
「あ、ああああっっ」
ヒカルが強く足をつっぱらせた。同時にぎゅうとしめつけてきた内壁の狭さに
男は「ムン…」とひとつうめくと、その一物を震わせて、
ドクリドクリとヒカルの中に、白い体液を注ぎ込んだ。


(7)
荒々しいまぐわいの後。
荒い息遣いだけが、夜の竹林の中に聞こえる。
一人目の男は、ヒカルと他の男の交わりを見ているうちに
ふたたび固くなってしまったのであろう。自分の一物を摺り上げ、
悲鳴を上げるヒカルを見物しながら一人で達してしまい、
やはり荒い息をついていた。
たまりかねた3番目の男――先程、ヒカルに陽物を銜えさせようとして
噛みつかれた男が、まだヒカルを放さない2番目の男に詰め寄った。
「は、はやく代われ!」
「まぁ、そう、せくな。時間はたっぷりあるさ。おまえさんは
 もう少し向こうで見物してな。その噛みつかれた摩羅が
 元気を取り戻すまでな」
見ると、少年の痛々しく陵辱された秘門から半分ほど抜かれた男のくさびは、
すでにふたたび固くなりかけてる。
「最初は少々おれもせいちまったからな。今度はじっくり味わうさ。
 せっかく菅原様が下賜してくださった美味い肴だ。
 ゆっくり貴族さまの雅な趣味のお裾分けをもらうとしようや」
「雅ねぇ、確かにそうかもしれんな」
ヒカルはその話を聞いているのいないのか、まだ男のモノを半分
身のうちにくわえ込んだまま、土と破られた狩衣の上に、じっと身を横たえている――。
死んでしまったようにも見えたが、わずかに上下する胸がそうでないことを表していた。
筋肉のつききっていない幼さの残る体は、快楽の余韻に震えながら
ほんのりと上気し、白い太ももの内側は、いまや血と精液にまみれて汚れていたが、
それでもかぶり付きたくなるほどに柔らかそうだった。
その股の根元につく男の印もまだ色も浅く、初々しく、愛らしいといってもいい代物だ。
瞳は薄く開いていたが、放心したようにどこか空ろで、虚空を見ている。
半開きになった薄い唇は、男に頬を打たれた際に切ったのであろうか?
血がにじんでうっすらと赤く染まり、ますます男を誘っているようだった。
そして、そのふっくらとした頬には、土にまみれ乱れた髪が、一筋、二筋、
汗でしっとりと張り付いており、たまらなく扇情的な光景になっていた。
「たまんねぇな…」
男達がつばを飲み込む。
戒められた手足は哀れをさそったが、そのさまさえも、なにか、
触れてはいけない美しいものを力ずくで自分達のものにしているようで、
男達の欲望を刺激していた。


(8)
まだ半分、ヒカルの中に入ったままだった2番目の男の熱いくさびが、
改めてヒカルの中に深く打ち込まれた。
ヒカルは声にならない悲鳴をあげて、ピクリと体を跳ねさせる。
反射的に足を閉じようとしたが、大きく開かされ戒められたままの足では、
それはかなうハズもなく。
男がこんどはゆっくりと抜き差しをするのにあわせて、
ふたたび腹の奥から嬌声がせり上がってくる。
ヒカルがそれに抵抗できたのは、ほんのつかの間だった。
再び揺すられ始めた体に、ヒカルの意識はすぐに快楽と苦痛の荒波に
さらわれてしまい、再び竹林には、
少年検非違使の身も世もないような、痛々しいあえぎ声と、
男達の荒い息遣いだけが聞こえはじめた。


(9)
「いやぁ…あ…あ…ぁん…」
すでに、月は天の真上に上り、それが、風に吹かれる竹林の間に見え隠れするさまは
いっそ風雅とも言えたが、その立ち並ぶ竹の下で、繰り広げられる陵辱の光景は
もし見るものがいたら顔をそむけるような凄惨なものになっていた。
あたりに、血と精液と、男達の汗の匂いがこもり、
荒い息遣いと、犯され続ける少年検非違使の泣き声ともつかないあえぎ声が、
絶えることなく夜風の中に響き続けていた。
すでに喰らい尽くされたともいっていいヒカルの体は、それでもなお
揺すられ、突き上げられ、山犬の目をした男達になぶられ続けた。
「あ…、あっ、やっ、はぁっ、あぁっん」
「ほらほら、いくぞいくぞ!」
夜盗たちのうちの二人目の男は、長い時間をかけて抜き差しし、
ヒカルの内壁を散々なぶったあと、
二度目の頂点に達しようとしていた。
男の腰の動きが激しくなり、より深く深くと差し込まれるたびに、
ヒカルのさらに奥の壁をついてくる。
おまけに男の一物が引きだされるときには、ひときわ強く、
ヒカルの1番敏感な内壁の部分を擦ってゆくので、その度に
ヒカルは足先をつっぱらせ、高い声を上げさせられていた。
男の息遣いと腰使いが早くなる。
同時にヒカルの上げるあえぎ声の間隔も、より短くなった。


(10)
「あっ、あぁっ、あっ、あっ…」
男の下半身が細かく震えた。
男がヒカルの腰を掴んで自分の腰に押し付けるようにし、更に深く、
その陽物を奥の奥までねじ込み、熱い精液で内の壁を断続的にうつのを、
ヒカルは霞のかかった意識の中で感じていた。
「あぁ………」
溜め息とも喘ぎともつかない小さな声がヒカルの唇から漏れ、
いつ終わるともしれない責め苦がようやく終わったことに安心したのか、
ヒカルは体からゆっくり力を抜いた。
だが、ヒカルの中心に遠慮がちに息づく、まだ幼いヒカルのものは、
その先端を白い液で汚しながら、いまだ頭をもたげ、立ち上ったままだった。
そのためか、自分の中から、男の陽根が引きだされる感触にも、
まだ快感に敏感になったままのヒカルは、体をぴくりをふるわせて、
わずかにあえぎ声をあげた。
抜き出した血と複数の男の精液にまみれた自分の陽根をぬぐう二番目の男を
三番目の男が揶揄する。
「だらしねぇなぁ、口ほどにもねぇ。ちゃんとイカせてやってないじゃねぇか」
「なんだとぉ、自分の摩羅が使い物にならないやつは黙っとけ」
「くっくっくっ、摩羅なんか使わなくたって、女をイカせることなんて簡単だぜ。
 これだけあれば充分さ」
そう言って、男は自分の人さし指と中指を並べて立てて見せた。
「強く突きゃあいいってもんじゃないことを、オレが見せてやるぜ」
「なにぃ?」



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