研究会 6 - 10

(6)
越智の愛撫をじっと見ていた伊角が再びのしかかるようにヒカルの身体を抱き寄せた。
「進藤のいい声…もっと俺たちに聞かせて…」
そう言ってヒカルの腰に手を掛けると、ジーンズを下ろし始めた。
ヒカルははっと我に返り、それだけは阻止しようと再び激しく抵抗し始めた。
しかしその抵抗も、両の手を本田・門脇に固定されて敢え無く封じられてしまった。
「や…やだ！やめてっ…おねがっ…」
その懇願も空しく、ヒカルの下半身は下着一枚を残して外気にさらされた。

ヒカルは頬を真っ赤に染め、羞恥心に目をぎゅっと閉じた。
伊角の手が下着の上からヒカル自身にそっと触れてくる。
「あっ…！」
ヒカルの腰がびくんと跳ねた。
「触っただけでこんなに感じてしまうなんて…可愛いな…進藤…」
やわやわと自身を撫で上げられ、その度に腰の奥から痺れるような感覚に襲われる。
自分の意志とは関係なく反応してしまうそこに、ヒカルは焦った。
「…濡れてきた…気持ちいいのか？進藤」
「や…だ…」
ヒカルの目からは涙が流れ、ともすれば流されてしまいそうになるその刺激に
じっと耐えていた。
やがて布ごしでは飽き足らなくなったのか、伊角はヒカルの下着に手を掛けると
あっさりとそれを取り払った。
ヒカルのペニスが目の前に露わになる。
まだ僅かに幼さの残るそこは起ちあがり、先端から溢れ出す先走りの蜜に濡れていた。
その様は淫らで、普段の明るく健康的で元気なヒカルを知る者達をひどく興奮させた。

(7)
伊角は何も言わずにヒカルの根本に手を添えた。
「ああ…！」
直に触られて、ヒカルは思わず仰け反った。
それを見て優しげに微笑むと、伊角はおもむろにヒカルのペニスを口に含んだ。
「！！」
背中を電流が走ったようだった。
舌でちろちろと先端を舐めまたくわえ込む。
丹念に刺激を与えてやるとヒカルの口からはっきりと嬌声が零れ始めた。
「あぁ…や……ふ…ぅん……はぁ…」
伊角はヒカルの竿をくっと持ち上げるとその裏を舐め上げた。
「ああっ！！」
ぞくそくと背筋が痺れるような感覚に腰ががくがく震える。
「やっぱりこうすると気持ちいいよな。じゃあ、ここは？」
「…！」
「…言葉にならないほどイイ？」
ヒカルのあられもない姿を目の当たりにして、いつしか伊角の息も荒くなっていた。

(8)
越智は愛撫を続けながらも、ヒカルの恍惚とした表情に見とれていた。
嬌声を漏らし喘ぐように動くヒカルの唇からチラチラとのぞく赤い舌がものすごく扇情的だ。
ふと、支配してしまいたい欲求にかられる。
「進藤…声、うるさいよ…」
越智はつややかで弾力のある唇に己のそれを深く重ねた。
「……っ」
もともと半開きだった口にすっと舌を差し入れると、口内で逃げようとしたヒカルの舌を
絡め取り、引き出し、吸いつく。
「あふ…」
ヒカルの口もとから透明な唾液が流れ出し、つっと喉元までしたたり落ちる。
「進藤の唇…甘いね」
そう言って再び貪るようにヒカルの唇を吸い続けた。

最も敏感な部分を上から下から攻められ、ヒカルの中心はすでに限界に達していた。
「やっ…もう…い…たぁ…」
痛みとも快楽ともつかない感覚がヒカルを襲う。
身体の内から溢れ出る熱を早く外に出してしまいたくて無意識の内に腰を揺らした。
その様子を見て、伊角が微笑む。
「出していいよ、進藤」
伊角はそう言うと手でヒカルのペニスを扱き、射精を促してやった。
「あっ…あ…！」
ヒカルはびくびくと身体を震わせて溢れ出る熱をあっけなく解放した。
放出された白濁液はヒカルのペニスはもとより、白い腹や股を淫らに濡らしていった。

(9)
ヒカルのその淫らな姿を目の前にして伊角も我慢の限界だった。
伊角のそこはすでに己を主張して固くなっていた。
もどかしそうにガチャガチャと己のベルトをはずし始める。
「待った伊角さん。ここからはオレがやらせてもらう約束だぜ」
和谷が伊角の肩に手を掛けて言った。
「あ…ああ、そうだった…すまない」
名残惜しそうな顔で、膨れた股間もそのままに伊角はすごすごと後ろへ移動した。
自分の部屋という場所を提供する代わりに、ヒカルの「初めて」は和谷がいただく
約束になっていたのだ。

ヒカルはまだ射精の快感と疲労から抜けきれず、はぁはぁと肩で息をしている。
そんなヒカルをうっとりと優しい目で見つめ、和谷は四つん這いになって
その上に覆い被さった。
「進藤、気持ちよかった？」
和谷の声にヒカルが薄目を開ける。
「オレがもっと気持ちよくしてやるからな」

(10)
いつ頃からだったろうか。
この活発で少し世間知らずな少年を好きになったのは。
ほっとけなくて、いつも世話を焼いていた気がする。
でも、それがぜんぜん嫌じゃなかった。むしろ「ありがと！」と自分に向けられる
笑顔を見るのが嬉しかった。
最初は手のかかる弟を可愛いと思う気持ちに似ていた。
しかし、やがてそれが愛しいという感情に変わるのに、そう時間はかからなかった。

「わや…？」
自分を見つめてくる潤んだ瞳。
上気した頬。薄く開いた桜色の唇。白い首筋。
どれもこれも愛しい。
「進藤、じっとしてて…」
そう言うと、まるで壊れ物を抱くようにそっと唇を落としていった。
唇に、頬に、首筋に、胸元に…。
「あ…」
ヒカルは目を伏せ、そのやわらかな刺激に身をゆだねた。
くちづけは次第に下へおりて行き、ヒカルの中心へと近づいた。
和谷はまじまじとヒカルのそこを見つめた。
「可愛いよ、進藤」
そう言うとその先端にちゅっとくちづけを落す。
「は…っ」
びくんとヒカルの身体が反応する。
一度射精させられて全身の感度が増している。
軽い愛撫でそこはすぐに熱を持ち、首をもたげ始めた。

「わやあぁ…」
艶っぽい声色で自分の名を呼ばれ、和谷の熱が一気に上がる。
「進藤、優しくするから、少し我慢して…」
そう言うと、中心を弄んでいたその指をそっと奥へと忍ばせた。