待てない 6 - 10
(6)
「塔矢!!??」
ヒカルのそれは尚も勃起したままだが事態が事態なだけにそれどころではなかった。
「ああ、先生はちょっとね。」
何やら意味ありな含み笑い…
「海王囲碁部の先生って車掌もやってんの?」
「いや、ユン先生はクビになったとでも思っておけばいいよ。」
なんか…今日これから行くとこも怪しいしこの新幹線も…塔矢はいつもの塔矢なんだけど…
ヒカルが窓の外を見ようとすると危ないよ。とアキラがヒカルをひきよせる。
心も身体もモヤモヤしたままアキラに行為を続行させられる。
そもそもいつも真面目な塔矢が新幹線の中だなんて…
棋院でした時は早碁だったから誰もきやしない。そんな風にいつも確実だ…だというのに今日はー…
ヒカルに考える隙を与えまいとアキラの指は第二関節まで進入を進めてきた。
息が詰まる。
「ふっ…く…」
「声、我慢できない?」
これ以上ここではきついかといって塔矢はトイレまでいかせてくれる気配はないし腰が…くだけてとてもじゃないけど歩けそうにない。
(7)
そうこう考えているうちに…..
「ガンガンガンッ」
どうやら後部座席の方かららしい.
俺は不安になり尋ねようと思った。なんせ塔矢が計画した旅行だ…..これはきっと何かあるに違いない,.
「塔矢、あのさ…..」
ってー…..ちょっとー.塔矢はさっきから続けている俺のすぼまりをいじくり回すいやらしい行いをやめようとしない.
「がッコオン」
うわー何だかけたたましい音がしてるよー.。.
「加賀―南してるんだよー新幹線、こわれちゃうよー…」
「おい、筒井、おまえ俺達は、あんなしんきくせー樹海なんぞに用は無い.そうだったよな.一番てっとり早くあそこに行くにはこの車両から……..」
何故だか聞き覚えのある加賀のような声の持ち主が喋ってる.
「キキキキキーーー」
…..!車両の音が変わった.こっつこれは完璧にやばいんじゃ.。。。。
さすがに怖くなって下半身の状態も忘れて窓の外を見た。
「!!!!!!!!!!!」
絶句―――――。
車両が切り離されている!それにこの列車もこのままじゃー。。。
(8)
流石のこの状況に塔矢は気がついたよいうだ。
「進藤ここもこれまでだ」
そうすると俺の腰を掴み塔矢は…俺を塔矢の上に乗せた…
ああ――…
こんな時に塔矢のものが俺にあてがわれ一気に入ってくる。
何を考えているんだろう。
「ガタガタガタ…!!」
しっ車両がーーー!!
間一髪、救命道具「空飛ぶバルーン」で俺たちは何とかたすかった。
それも塔矢のおかげだ…ここはとりあえず俺の下半身が裸でけつ丸出しで塔矢のが挿入されてる事なんか忘れて素直に喜ぼう
空へ、空へと高く俺達は宙を浮かんでいる。
いい眺めだなー…と思いきゃ、こんな空中で、こんな状況だというのに塔矢が俺を突いてくる。
ああ、どうすんだよ、こんな…所で、、、
俺達は空を飛んでいる。俺も刺激を与えられより高く飛んでいってしまいそうだ。
そんな事を考えてると塔矢ががっしりと俺を抱きしめてくれる。
(9)
塔矢がしっかりと俺の腰を掴む。
結合部が更にきつくなる。ゆさゆさと空中で身体を揺らす。塔矢が俺の秘部に塔矢のものをこねまわすようにあてがう。空中とはいえ自分の体重が塔矢に重くのしかかる。俺は自分の体重で塔矢のを深く咥えこんでしまっている。
息が詰まりそうになる。ここは空の上で、救命道具「空飛ぶバルーン」は今だ上昇を続けている。だんだん家や、建物が遠ざかっていく。
まだ、上昇するのかな…。快楽はすぐには絶頂を迎えようとはせずねっとりと気持ちがいい状態が続く。
「進藤、綺麗だね、ボク達の通っている碁かいじょや棋院なんか見えやしない。ボクはこうして知らない地で、君とこうしてつながっていられる事をずっと夢みていた」
知らない地が空の上だなんて思いもしなっかったぜ。
「うん…おまえの…ここも、眺めも最高☆」
ふたりはキスを交わした。空の上でのキスは甘かった。俺、キスされると感じやすいのかな…?ヒカルのものが頭を擡げた。
甘いキスがだんだん舌をからめ、頬には唾液をつたい声が漏れ激しいものになっていく。
耐えられなくなってヒカルは腰をよじるアキラが答えるように腰を掴み、更に挿入を深く進める。
「あ、ぁあ―…」
切羽詰った声がヒカルの口から漏れる。ゾクゾクと快感が腰から、脳裏へと伝わっていく。
アキラとのセックスは空中だろうが棋院のトイレであろうが気持ちよかった――。
アキラがヒカルの内部に放つ。その直後にヒカルは真上目掛けて放つ。ヒカルの精液が救命道具「空飛ぶバルーン」目掛けていきおいよく飛び散る。
はじかれた精液は陸向かって落下する。アキラがヒカル目掛けて放った大量の精液もヒカルから溢れて落ちる。
逝って放心しきった二人だった。しかし、バルーンには穴があいてしまった。どういうことであろうか。
アキラは目を疑う。注意書きに「精液をかけるととけます。」
「……!」
二人は絶頂の後間もなく急降下していった。
(10)
おちおち休憩していられない。落ちる落ちる。このまま俺達2人は終わるのか!?
まだ、神の一手は極めてはいないというのに…!せめて、せめてズボンが欲しい。下肢をまるだしのヒカルはそう思った。急降下していく際の風が心地よい。風に俺のものはなであげられぶらぶらとしていたそれは硬くなっていっていた。
「あああぁー落ちる!!塔矢っ!!」
俺は必死で塔矢を抱きしめた。これが最後になるかもしれない。対するアキラはまだ何やら思考を巡回させている。
「そうか、これを使えば…!!進藤飛べ!!」
塔矢は俺を放り投げた。こ、これは…「いつでもドアー」…!!前に塔矢が手合いに遅れそうになった時に使った道具だ。バルーンの中に装着されていたのか…
俺は知らない場所へと塔矢より一足先にたどりついた。
ヒカルがいつでもドアからたどりついた先はたくさん木が茂った果物畑だった。
都会では見れないそんな風景に少し驚きながらのあたりを見回す。
さくらんぼの実があった。それを手に取ってみる。ピンク色でふたつ…ヒカルは少し赤面してそれを口にする。
「あ…」
なんだか異様な歯ごたえにびっくりする。それはまだうれていない果実だった。
「塔矢何してんだよ、はやくこないかなー…」
自分だけ先にいつでもドア―をくぐってきてしまった事を後悔した。アキラがいなくて退屈なのかヒカルは続いて林檎に手を伸ばしていた。
こんどの林檎は赤くて熟している。林檎に歯をたてる。おいしい林檎だ。もう一口かじってみると歯が折れた。大事な前歯だった。
こんな事あるのだろうかと驚いて林檎を見つめる。林檎はすました顔をしている。
「ちぇー…」
自分の歯を折った林檎を地面になげつける。もうすでに小一時間が経過しているというのにアキラの姿は見えない。そろそろ来てもいいはずなのに…と樹海をさまよいヒカルはさらに深いところへと迷い込んでいた。
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