少年サイダー、夏カシム 6 - 10


(6)
「・・・ん、・・・んんぅー!!」
ヒカルは力の入らない手で和谷を殴る。しかし全く抵抗にならないその行為に和谷は気づかない。
ヒカルと和谷の口の隙間からは、ヒカルが飲み込めなかった炭酸飲料が次から次へとこぼれてゆく。
和谷はそれに気づき、少しづつヒカルの口へと流し込むようにした。ヒカルはコクッ、コクッと小さくのどを鳴らして飲み込んでいる。
やがて和谷の口は空っぽになったが、ヒカルから口を離さなかった。それどころかラムネの味がするヒカルの唇や舌を、しゃぶりつくかのように荒っぽいキスをする。 
ヒカルは頭痛と息ができないことの苦しさから、何とか解放してもらおうと和谷の手を思い切り引っ掻いた。
「痛っ!!」
和谷はようやくヒカルから体を離した。手にはうっすらと引っ掻いた跡が残る。
ヒカルは酸素不足のせいかひどく息を荒げている。目にはたくさんの涙を溜め、キッと和谷を睨んでいた。その姿はまるで怒りに震えた子猫のようだった。
「和谷、・・・何するんだよ」
ヒカルは明らかに怒っていた。しかし和谷はその顔さえもかわいいと見つめている。
「何で、こ、こんなこと・・・」
ヒカルは頭痛をこらえながらベッドから起き上がると、軽蔑をこめた目で和谷を見下ろした。そして何度も何度も口をTシャツや布団などで拭う。和谷はその行為にムスッとした。
「オレは、・・・口移しでなんて頼んでないぞ」
ヒカルは涙ながらに訴える。
「え? だっておまえ・・・飲ませてくれって」
 和谷は何が悪いのかわからないとでもいう顔をする。その姿はふざけているようには見えなかった。どうやら和谷は勘違いをしたのだろう。
 しかしそうはいっても、ヒカルは和谷の行為を許すことはできなかった。


(7)
「オレが言いたかったのは、赤ん坊にミルクをあげるように飲ませてくれっていう意味だ。それに
普通そう言ったからって・・・口移しでなんてしねェぞ!!」
和谷はそれを聞くと、ついにやってしまったかと、背中がサーッと冷たくなるのを感じた。
さっきの、あのヒカルの艶かしい姿。あのせいで理性がふっとんでしまったのだろう。和谷は唇を噛んだ。
二人を包む空気が異様なものに変わる。ヒカルは依然として怒りと軽蔑の目で睨んでいる。きっとここでどう言い訳しても、何も変わらないだろう。 
和谷は帰ろうと、黙ってヒカルに背をむけて立ち上がった。それと同時にドサッという音が後ろでした。振り返ると、ヒカルがベッドに倒れこんでいる。
「おい、進藤! 大丈夫か?」
急いでヒカルのもとへ駆け寄り、体を抱き起こした。
ヒカルの体はさっきよりも熱く、衣服は汗で体にはりついている。おまけに顔を覗き込んでみると、顔が赤くなっていた。熱が上がってしまったのだ。
和谷は急いでヒカルをベッドに横たわらせようとした。しかしヒカルの服が汗で湿って冷たくなっているのに気付く。このままの状態では余計ひどくなってしまう。
着替えが必要だと思い、和谷はヒカルの母親のもとに行き、新しい衣服とタオルをもらってきた。
せっかくお見舞いに来てくださったのに悪いわねと言う母親の前で、和谷は構いませんよと立派な好青年を演じてみせた。まるで自分は善人であるということを印象付けるかのように。


(8)
すぐさまヒカルのもとへ戻ると着替えを始めた。汗ではりついた服はなかなか脱がすことができず、和谷は苦労した。
やっとのことで脱がせると、色白で少しやせ気味のヒカルの上半身があらわになった。ヒカルの体は熱のせいで少しピンク色になっている。
和谷は体を拭こうと肌にそっと触れる。汗でしっとりとしたそのやわらかい肌は、手に吸い付くような感触で、和谷は理性をなくさないよう必死に我慢し、背中から腕、首筋を丁寧に拭いた。
「へー、進藤ってこんなとこにホクロあるんだ」
普段は髪の毛に隠れている首筋にある小さなホクロを見つけ、和谷はそれに吸い付きたい気分になった。
しかし先ほどの怒ったヒカルの顔を思い出し、その思いを振り払う。進藤は友達だ、仲間だ、ライバルだ・・・などと呪文のように呟いて、和谷は理性を保とうとする。
和谷の手はヒカルの腹部を拭き終わると、その上へと手を伸ばそうとした。
ヒカルは頭痛と熱のせいか意識が朦朧としていた。相変わらず息は荒い。そのため、胸や肩を上下に揺らしていた。
和谷はその様をしばらく見つめていた。ふと和谷は変な気持ちになった。
きっと今の進藤は甘いラムネの味がするのだろう。進藤は眠っている。少しなら、ほんの少しならバレないだろう。
そう思うと和谷はヒカルの小さな胸の突起を舌先でそっと舐めた。口に広がるラムネの甘い香りと味。それはさっきこぼした炭酸飲料のせいだとは理解しつつも、ヒカルの体は甘いのだと勘違いしてしまう。
和谷は何の反応も見せないことをいいことに、もう一度ヒカルを舐めた。胸の辺りから鎖骨、首筋をゆっくりと味わうように舐めあげる。どこを舐めてもヒカルからは甘い味しかしない。
夢中になった和谷は徐々にベッドに身を乗り上げた。それに気づいたヒカルは和谷を拒絶するために名前を呼んだ。
「・・・わ、わや」
きちんと呼吸することができないため、ヒカルは名前を呼ぶことすらままならない状態だった。しかし和谷はそれを違う意味で捉えていた。


(9)
頬を赤くし、うっすらと濡れた瞳でこちらを見つめ、熱い吐息に混ぜながら自分の名を呼ぶヒカル。それはまるでヒカルが自分を受け入れてくれたかのような錯覚に陥った。
和谷の理性の糸はついに音をたてて切れた。和谷はヒカルのジャージや下着を力任せに剥ぎ取った。ヒカルの全てが露になる。
窓から差し込む控えめな午後の光りに照らされて、白く華奢なヒカルの体を無数の汗が光り輝いているように飾りたてる。
和谷はその姿を隅々まで見つめると、唾をゴクリと飲み込んだ。そしてまるで暴走した機関車のように、ヒカルの体にむしゃぶりついた。
ヒカルは抵抗することも声をあげることもできず、和谷のされるがままになった。
体のあちこちを舐め回され、時には噛み付かる。その気持ち悪さと恥ずかしさで、和谷を殴ってやりたい気分だった。しかし今の自分にはそんな力など全く無い。
ヒカルは和谷に裏切られたという思いから、涙を流すことしかできない。しかし和谷はそのかすかなヒカルの抵抗すらも飲み干してしまう。
「なあ、泣くほどいいのか?」
和谷はヒカルの顔を覗き込む。その言葉に腹を立てたヒカルは、和谷を殴ろうと手をあげた。しかしいとも簡単にその手をベッドへ押しつけられる。
「なあ、もう一度オレの名前を言えよ」
和谷はもう一度、あの艶のある声で自分の名前を呼んでもらいたくて、ヒカルにせがんだ。
ヒカルは怒りのあまり眉間にしわをよせ、苦しそうに息をしながら、隙あらば抵抗しようと和谷を睨んだ。
そんなつれない態度に痺れを切らした和谷は、今までわざと避けていたヒカルの下腹部に手を伸ばした。


(10)
「ひゃっ、・・・あっ」
和谷の激しい手の動きに、ヒカルは艶かしい声をあげる。それに興奮した和谷は、もっとその声を聞きたいとばかりに指と舌でさらにヒカルを攻めあげる。舌先で舐めあげたり、甘噛みしたり、吸い付いたり…。
ヒカルは何も考えられなくなった。ただ暴走する和谷の行為を止めようと、必死に手を伸ばす。しかし簡単に払いのけられてしまう。このままこれが終わるのをただ泣いて待つだけなのだろうか。
ヒカルはどうせなら気を失いたいと目を閉じた。
しかしそれすらも叶わぬ行為が行われた。和谷の指が強引にヒカルの菊門に押し入ってきたのだ。グリグリと無理矢理何本もの指をねじ込んで、穴を押し広げようとする。
ヒカルはその指の進入を拒もうと、そこへ力を入れて入り口を閉ざそうとした。
「痛っ。進藤、力抜けよ」
 ヒカルは最後の力を振り絞って、そこにありったけの力を注いだ。
 ぎゅっとつかまれた指を和谷は痛みのあまり引き抜いた。
 ヒカルは自分の最後の抵抗が和谷に通じたと、ほっとした。
 今の和谷はいつもの和谷とは違う。冷静さを取り戻すチャンスだと、ヒカルは和谷に話しかけるため起き上がろうとした。
 一瞬和谷と目が合う。その目は酷く冷たい目をしていて、ヒカルは寒気をおぼえた。それと同時に和谷の手がヒカルの腰を捉え、体をひっくり返すと、尻を高く上げさせた。
「んっ、ヤッ・・・ヤダ!!」
和谷はヒカルの白い尻の間に指を這わせた。そこに和谷の荒々しい息が吹きかかる。それはなんだか痒いようなくすぐったいような感覚で、腰のあたりがゾクゾクとした。
ヒカルは手足をジタバタさせて、なんとか逃げようと試みた。
その動きを封じるかのように、和谷は指を脚の間から前へ這わせ、ヒカルのそれを捕らえると、ぎゅっと強く握った。そしてヒカルの耳元で、低く重量のある声で囁いた。
「なァ進藤、悪い子はお仕置きされるって知らねェのか?」
ヒカルは怖くなり、抵抗を止めた。恐怖の余り、体がガタガタと震える。
急におとなしくなったヒカルを見た和谷は、征服欲からか、もっと嗜虐的なことをしてみたくなり、あたりを見回した。床に置いてある『少年サイダー』のペットボトルが目に入る。
和谷はしばらくそれを見つめると、なにやら楽しそうにニヤリと笑い、ペットボトルを手に取った。



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