塔矢邸 6 - 10


(6)
ヒカルの打った好手にアキラは迷い、時間が取られた。
それでも間際にアキラは石を置こうとしたが、その手首をヒカルが掴んだ。
「時間切れだ、…塔矢。」
「…何を言っているんだ。ギリギリで…間に合ったはず…」
そう言って睨み返そうとするアキラの手をヒカルが強引に引き寄せた。
「あ…っ」
アキラが体のバランスを崩して碁盤に手を着き、碁石が床に散らばった。
「…負けましたと言え、塔矢」
ヒカルはアキラの肩を掴んで、顔を近付けた。互いの唇が近付き、吐息が重なる。
「まだ…勝負は…」
それでも強気で抵抗してアキラは顔を離そうとした。
「負けましたと、…言え!」
ヒカルがアキラの肩を激しく揺さぶった。アキラは小さく悲鳴を上げた。
そこまでがアキラの限界らしかった。
「負…け…ました…」
言い終えたアキラの唇をヒカルが自分の唇で塞ぎ、荒々しく奪った。
そのまま畳の上にアキラの体を組み敷いて覆い被さると、アキラの口を吸いながらアキラの
ズボンのファスナーを探る。アキラもまた、ヒカルのズボンを探った。
「…ったく、素直…じゃない、塔矢…、お前は…」
「悪くなかったはず…進藤、君だって…」


(7)
互いの衣服を剥ぎ取り合って、直接肌が触れあい熱が行き交うとさらに固く抱きしめあって
下腹部部分を直に重ねる。
ヒカルの体がアキラの足を開かせるようにして間に入り、ヒカルは夢中になって
腰を動かし、自分自身でアキラ自身を擦りあげた。
「あ…、熱い…よ、進藤…」
「塔矢のだって…スゲエ濡れてる…」
抱きあった胸で4つの小さな突起も触れあい、皮膚を通して激しく心臓の音が響きあう。
ヒカルは少し体を下にずらしてアキラの胸に頬を擦り付け、突起を口に含んだ。
アキラが吐息ががった声をあげるとさらにヒカルは唇を下に移動させていった。
「はあ、あ…」
アキラが上半身を反らせると肋骨が浮き上がり、ヒカルはそれに添って舌を左右に
動かしながら時間をかけて相当に熱く固くなった部分に近付き、その根元を噛んだ。
「はあっ!」
ビクッとアキラの下肢が震え、閉じようとする両膝を押さえ込んでヒカルは
脈打つ音が聞こえそうなくらいに勃ちきったアキラの先端にそっと舌を這わせた。
「ああ…はあっ…、進藤、…」
だが、それ以上はそこに触れずに腿の内側に唇を移動させた。
「し…んどう…!」


(8)
アキラが抗議するような声で呼び掛けて来るが、ヒカルにしては少しくらい意地悪をして
アキラを焦らしてみたいという欲求があった。ただヒカル自身も早くアキラによる刺激を望み
止めどなく雫を溢れさせていた。
「…進藤、お願い…、」
ふいに素直で儚げな、そんなアキラの声にヒカルは顔を上げた。
「体の向き…反対になって…」
「えっ…」
「ボクも進藤の…に、してあげたい…」
ヒカルは少し躊躇したが、頷いて体の向きを変え、アキラの顔の上に跨がった。
「届かない…、進藤、もう少し低くなって…」
ヒカルはごくりと息を飲むと、腰を下げていった。
アキラの吐息が自分の陰部に吹きかかるのを感じる。
「ふああっ…!」
小さく温かいアキラの舌がそこにちろりと触れるのを感じた瞬間ゾクゾクと今まで
味わった事の無い程の感覚が背骨を走り、ヒカルは切なく声を漏らした。
アキラの目前に全てを曝け出しているという羞恥心が、たったそれだけの刺激にも
耐えられないくらい昂ったヒカルの感覚をさらに研ぎ澄まさせていた。
「今みたいな進藤の声…もっと…聞きたいな…」
アキラはヒカルの柔らかな袋に両手を軽く添えるようにして、中央の固い幹にゆっくりと舌を滑らせた。


(9)
「はっ…ああっ…!!」
固い幹の半ば程から根元へ、そして袋の間を抜けて双丘の中央の窄まりにアキラの
舌が動く刺激に、思わずヒカルは一度沈めた腰を上へ引き上げた。
するりとアキラの両手からヒカルの果実が抜け出てしまい、アキラが
怒ったように声を荒げた。
「ダメじゃないか、進藤!」
逃げたヒカルの腰を腕で引き寄せる。
「だ、だっ…て、感じ過ぎ…、…オレ、もう…」
アキラの体の上に覆い被さるような姿勢のヒカルの床についた両肘と両膝がガクガク震えている。
そのヒカルの顔のすぐ傍でアキラ自身が固くそびえ立って、ぴくりと動いては
ヒカルの頬に触れる。透明な糸をひいてヒカルにも同様にして欲しいと催促しているようだったが
ヒカルにはその余裕がなかった。
それでも構わないといったように再度ヒカルの局部に顔を近付けたアキラは、
方腕でヒカルの腰に抱き着き、片手でしっかりとヒカルの果肉を握り込んで逃げないように
捕らえると窄まりの周囲に舌を動かした。
「ああっ、あ、…や…あっ、」
左右から双丘がアキラの舌を拒もうとして引き締まるが、その谷間でアキラは強引に
舌を動かす。
「…くっ…」
アキラの行為を押さえるにはこちらも責めるしかないとヒカルは考え、アキラ自身の先端を
口の中に含んだ。


(10)
「うんっ…っ」
その瞬間アキラが下半身を強張らせ、アキラの舌がヒカルのその箇所から離れた。
だが、それは僅かな間だった。
アキラも同様に手にしたヒカルの先端を少し下に向け、顎を引いて、ヒカルの体芯を
咥え込んだ。
「…っ!!」
ヒカルの全身が震えた。
同時に互いのモノと口が繋がり合い、自分が激しく吸いたてると相手も同様に強く吸い立て、
舌を動かすと同様に舌を動かされる。
まるで自分自身を自分の舌で愛撫するような錯角がし、どうしようもなく興奮してきた。
そんなどちらが先に相手をイカせるか競い合うような行為はアキラに軍配が上がった。
「だ、…ダメ…っ…」
思わず口を離してヒカルが声を上げた。
「塔…矢、…待っ…、んっ…」
そんなヒカルの言葉を無視してアキラはヒカルのモノを手と口で抜き続ける。
「ダメだっ…って、うあ…っ」
力が入らず体を支えきれなくなって横倒しになったヒカルの体に今度はアキラが
覆い被さるようになり、行為は激しく続けられた。
「ンンっ…!!」
ビクンとヒカルの体が仰け反って、次の瞬間、ヒカルはアキラの口の中に熱い体液を放った。
「あ…、はあっ、…あ…!!」
あまりに急激で強過ぎた刺激にヒカルは全身汗ばみ頬を真っ赤に紅潮させ、涙ぐんで荒い呼吸を繰り返す。



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