やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん小悪魔系〜 6 - 10


(6)
「バカみたいに同じこと言うなよ。それよりもさっきみたいにアンアンなけよ、オラ!」
トーマスはヒカルたんの感じるところを探るように棒を動かした。けれどもあまりの怖さ
にヒカルたんは硬直してしまい、それどころではなかった。
延々と泣き続けるヒカルたんにしびれをきらしたトーマスは、何を企んだのか、口元をニ
ヤリとさせた。
「わかった。抜いてやるよ」
トーマスは優しくそう言って笑うと、振動するそれを抜き、抱いていた腰の手を放した。
ヒカルたんは力なく地面に倒れこむと、苦しそうに息をした。
だがトーマスはまたすぐに挿入を開始した。
袋からもう一本太くてゴツゴツした飾りのついた棒を取り出すと、少し懲らしめてやろう
と、先ほどのものと一緒にヒカルたんの中に入れた。さすがに2本も入らないだろうと思
っていたが、抵抗なくそれらを飲み込む様を目の当たりにしたトーマスは、若゙キンマンの
手によって既に開発されていたのかと思うと、悔しくなった。
顎を仰け反らせ、蚊の鳴くような声で抜いて抜いてと泣き続けるヒカルたんに、トーマス
は意地悪っぽく言った。
「そんなに抜いて欲しいのか? 仕方ねーな。今度こそ抜いてやるよ」
そう言うと、挿入している2本を交互に抜き差しした。
ヒカルたんは悲鳴をあげてそれらの進入を拒もうと尻の穴に力を入れたが、先ほどぬられ
た液体によって阻むことはできず、何度も何度も挿入を繰り返された。
どうすることもできず、必死にその行為に耐えていたヒカルたんは、次第に我を忘れて感
じ始めた。甘い声で鳴きながら腰をふりはじめたヒカルたんを見て、トーマスは自分の行
為に感じてくれたんだと喜んだ。
しかしヒカルたんの次の言葉に愕然とする。
「若゙キンマン、うれしい。もっと…もっといじめてぇ」
ヒカルたんは恍惚とした表情で繰り返しそう言う。トーマスの2本責めはこの前の若゙キン
マンとの行為をヒカルたんに思い出させていた。
予想外の言葉にトーマスはヒカルたんの肩をつかんで振り向かせると頬を叩いた。
ヒカルたんははっとして目を見開く。そしてそこにいるのが若゙キンマンではないことを思
い出すと暴れだした。


(7)
「もうやだ、はなせよ。トーマスなんて嫌いだ!」
ヒカルたんは何度も起き上がって逃げようと暴れた。トーマスはヒカルたんのポークビッ
ツをわしづかみする。するとヒカルたんは悲鳴をあげて体を硬直させた。
「おとなしくしろ。言うことを聞かないと若゙キンマンを殺すぞ」
ヒカルたんは驚き、振り返ってトーマスを見つめる。
「オレは本気だぞ。それに若゙キンマンが死ねば、町には本当の平和がやってくる。だって
そうだろ? アイツを警戒している町の人はまだたくさんいるんだ。いなくなれば町にと
っても好都合だ」
「…やめろ。若゙キンマンはそんな悪い奴じゃない。殺すなんて、そんな…」
ヒカルたんの切なそうな泣き顔に、トーマスは一瞬辛くなったが考えを変える気はさらさ
らなかった。何年も想い続けて大切にしてきたヒカルたんに性行為を強要し、心も体もボ
ロボロにして奪っていった若゙キンマンをそう簡単に許すことはできない。そしてそれがヒ
カルたんの同意の上というのももっと許せなかった。
トーマスはヒカルたんの目を覚まさせるために意地になった。
「だったらオレを怒らせないようにするんだな」
脅すようにそう言うと2本の棒をヒカルたんから抜き取った。そしてそこへ自らのものを
あてがう。ずっとこの瞬間を待ちわびてきたトーマスは、緊張のあまり大量の汗をかいた。
そして震える手で挿入する。
「うっ…すっげー気持ちいい、おまえん中」
トーマスは歓喜の声をあげると、激しく律動を開始した。その激しさは、ヒカルたんを何
年も慕い続けてきた気持ち全てをぶつけるかのような激しさだった。
しかしトーマスは喜んでいたが、それを受け止めるヒカルたんは、ただ激しいだけで気持
ちよくもなんともない稚拙な苦痛を伴う行為を耐えるのに精一杯だった。
ヒカルたんは若゙キンマンとの行為を思い出した。どんなに酷いことをされても、必ず快感
を与えてくれる若゙キンマンは決してトーマスのような一人よがりな乱暴はしなかった。い
つだって自分の気持ちのいいところを見つけてくれる若゙キンマンが、どれだけ優しい存在
だったかを思い知ったヒカルたんは、目をつぶってそれが終わるのをただじっと待った。
だがトーマスはその態度に納得がいかなかった。


(8)
「おい、何マグロになってんだよ。いつもはもっと淫乱だろうが。いい子ぶってねーで大
声で哭けよ」
トーマスはヒカルたんの後ろ髪を思い切り引っ張った。だが何の反応も示さない。ヒカル
たんは反発からか、少しも表情を変えなくなった。それどころかどんなに突き上げても、
ポークビッツやイチゴを弄ってもピクリともしない。まるで人形を抱いているような気分
になったトーマスは、若゙キンマンのヒカルたんの間での出来事を思い出す。偽者のヒカル
たんに触れるのは、トーマスに耐え切れない孤独と虚無感を与えた。そして今、目の前に
確かにヒカルたんがいるはずなのに、あの時と同じ虚無感がトーマスを襲う。それを振り
払うかのようにトーマスは更に激しく突き上げた。
ヒカルたんはというと、何度も激しく突き上げるので背中にポタポタとトーマスの汗が落
ちるのを感じ、それすらも嫌悪感を抱くようになっていた。
それを感じたトーマスは、あまりの虚しさに今までの鬱屈とした想いをぶちまけた。
「オレ知ってんだからな。おまえらが毎晩毎晩ベッドをギシギシうるせーくらいに鳴らし
てたのも、壁が薄いってのにかまわず大声あげるてよがってるのも。オレがそれをどんな
気持ちで聞いてたかわかるか!? どんだけ悔しかったかわかるか!!」
一瞬強張った表情をしたが、手荒く扱われている今となっては、ヒカルたんにとってトー
マスの気持ちなどどうでも良かった。それよりも早くこれが終わるようにと心の中で念じ
る。そして早く若゙キンマンに会いたい。ヒカルたんの心には若゙キンマンしかいなかった。
想いをぶつけても動じないヒカルたんにトーマスは唇を噛み締める。今まで暴力を使うこ
とで何とかヒカルたんを思い通りに動かしてきたが、そうすればするほどヒカルたんと若゙
キンマンの間に自分の入り込む隙がないことを思い知らされる。
それならそれでかまわない。突き進むのみだ。そう思ったトーマスには、もう慈悲などと
いう言葉は存在しなくなっていた。


(9)
「おまえは本当にバカだな。言っただろ、オレを怒らすなって」
トーマスは自分のモノを抜き取ると、脱ぎ捨てた自分の衣服のポケットから小瓶を出した。
「これ、アイツの城で見つけたんだ。けど本当はこんなもん使いたくなかった。使ったと
ころで、それが本当の恋になるわけじゃないって思ってたから」
ヒカルたんは不安になる。その小瓶は初めて若゙キンマンの城に行ったときに飲まされた薬
とよく似ていたからだ。
「オレは自力でおまえをふりむかせるつもりだった。でもよくよく考えれば、アイツもこ
ういった汚い手を使ってたんだよな。だったらオレも使うさ。それでおまえがオレのもの
になるなら」
ヒカルたんは逃げようとした。それは薬の威力がどれだけのものか、身をもって知ってい
たからだ。だがトーマスはヒカルたんの上に馬乗りになると口を強引にこじ開け、ビンの
ふたを開けて流し込んだ。口を押さえられ、吐き出せないようにされる。
息苦しくなったヒカルたんは、酸素を求めてつい飲み込んでしまった。するとあの時と同
じように食道が焼けるように熱くなった。そして体がだんだんと火照るのを感じる。ただ
一つ違うところがあった。それは頭がぼーっとして、まるで眠りにつく寸前のように体が
動かなくなったのだ。
トーマスはゆっくりと何度も耳元でささやき始めた。
「おまえが世界で一番愛しているのは、このオレだ」
真っ白になった頭の中にその言葉だけが響き渡る。そして何度も繰り返されるうちに、ヒ
カルたんの意識は次第に侵食されていった。
呆然と目を見開き、トーマスの言葉を繰り返しつぶやくようになったヒカルたんを見て、
トーマスは笑った。
「ヒカルたん、おまえが世界で一番愛しているのは?」
視点が定まらないヒカルたんの目を見つめ、トーマスは問うた。
ヒカルたんはゆっくりとトーマスを見上げる。そして片手でトーマスの頬をなでた。
「トーマス、…大好きトーマス」
ヒカルたんはそう言うと笑顔で抱きついた。
「良くできました」
トーマスはヒカルたんの髪をなでると、ご褒美でもあげるようにキスをした。


(10)
用があってこっそりパトロールを抜け出していた若゙キンマンは、行方がわからなくなった
ヒカルたんを探していた。トーマスの姿も見えないことに不安がよぎる。
時間をかけてヒカルたんのいそうな場所を探す。簡単に見つかると思っていたが、二人の
姿は全く見えなかった。
町を一通り捜査した若゙キンマンは、森へと向かった。すると森にある湖の上空で、聞き覚
えのある甘い声が響いているのを若゙キンマンは聞き逃さなかった。
急いで湖のほとりに降り立った。しかし辺りには人影が見えない。ただはっきりとあの声
だけが聞こえる。
若゙キンマンは目を凝らして辺りを見まわした。すると小枝にヒカルたんの服が引っかかっ
ているのを見つける。若゙キンマンはゆっくりと近づいき、その衣服を手に取った。
「なんでこんなところに…?」
ふと木陰に白い物体が揺れるのが見えた。若゙キンマンはそれを見て体を硬直させた。
そこにはトーマスに犯されているヒカルたんがいたからだ。
「…キサマーッ!! 何やってんだ」
若゙キンマンは怒りをあらわにしてトーマスに飛びかかった。
しかしそれをヒカルたんが阻む。
「やめろ! オレのトーマスに何する気だ」
ヒカルたんはトーマスをかばうように抱きしめると、若゙キンマンを睨んだ。
「…どういうことだ!?」
予想だにしなかった展開に、若゙キンマンは愕然とヒカルたんを見つめる。
その姿を見てトーマスはヒカルたんを抱きしめて嘲るように笑った。
「こういうことだよ、若゙キンマン」
トーマスはヒカルたんの顎をクイッと持ち上げた。ヒカルたんは自ら目をつぶり、トーマ
スに口付けた。
「残念だったな。おまえはもう用無しだ」
トーマスはそう言ってヒカルたんを抱き上げると、その場から立ち去った。
ゆっくりと遠ざかるヒカルたんを若゙キンマンは呆然と見つめる。
ふと、ヒカルたんと目が合う。トーマスの肩越しでクスクスと笑いながらこちらを見る姿
は、若゙キンマンにとって小悪魔そのものに見えた。



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