Birtday Night 6
(6)
…トクントクン。鼓動がきこえてくる。
彼が生きている証。ボクの胸でも同じ音が響いている。
生まれてきて、よかった。そう初めて感じた。
嬉しい。ボクを大切に想ってくれる人がいる。
血のつながりもないのに、自分とは別の人なのに、こんなにもボクのことを好きでいてくれる。
――数ヶ月前、進藤が自分の気持ちを告白してきて、好きだと言われて。
ボクは動揺した。
『オレのこと嫌い?』
嫌いじゃない。でも……。。
キミに対して、そんな気持ちになれるか分からない。そう告げると、
『じゃあ、待つよ』
進藤はさみしそうに、けれど真っ直ぐな瞳で、
『何年でも待つ。おまえがオレのことを好きになるまで、ずっと』
きっと塔矢はオレのこと好きになるよ――。
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