光明 6


(6)
「あれ そこに誰かいるの? もしかして・・・塔矢か?」
アキラは一瞬何が起きたのかすぐ理解出来なかった。
長い間暗い所にいたので目が強い光を受け入れるのに少し時間がかかった。
聞き慣れた声の主が また自分に話しかけた。
「お前塔矢だろ こんな時間にどうしたんだよ?」
やがてアキラの目には玄関のドアを開けて家内の電気の明かりを背にしたヒカルが
ハッキリと映った。
「・・・進藤・・・?」
「うわぁあっ お前 頭と肩が雪で真っ白だっ! 何やってんだよっ!!」
ヒカルはアキラの元へ走り寄り、アキラの体に積もった雪を手で急いで払い落としながら
「どうしたんだよ いったい?」とアキラに訪ねた。
「あっ、いや たまたま近くを通ったものだから・・・。」
何を言ったらいいのか アキラは うまく言葉が見付からない。
あまりその事を探られたくないので「進藤は これから何処かへ出かけるのか?」と逆に聞き返した。
ヒカルは黒いジャンバーを着て首には緑色のマフラーを巻いていた。
「ああ。近くのコンビニへ行こうと思って。お母さん オレが頼んだ物を買い忘れたんだぜ? ったくもうっ!」と
ヒカルは口を尖らせて言った。
大晦日の夜更けに出かけてまで買うものって何だろうという素朴な疑問がアキラに湧いた。
「で、何を買いに行くんだ?」
「CCレモン」
「・・・CC・・レモン?」
「あれがなくて年を越せるかっつーうの!」



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル