嘆きの少年王・訂正編 6


(6)
撮影は無事終了した。
急な事で心の準備が伴わなかったため、実は少々あがっていたアキラ王は、ほっと
小さく溜息をついた。そして、かたわらのレッドに微笑みかけた。
「今日はどうもありがとう、レッド。キミのおかげだ。」
「なんでもねーよ、これくらい。」
へへっと笑って、レッドは頭を掻いた。
「おまえ、そーゆーかっこ、似合うなあ。」
アキラ王の浴衣姿をうっとりと見詰めて、レッドは言った。
レッドの視線に、アキラ王は思わず頬を赤らめた。
その様子に、レッドは目をキラリと輝かせ少しいたずらっぽく笑った。
「あのさ、今日の事、ホントにオレのおかげだと思ってる?」
「ウン。」
「ホントに?」
「ああ、キミが迎えにきてくれるなんて、本当にボクは嬉しかった。」
「それじゃあ、一つだけ、言う事、聞いてくれる?」
レッドがアキラ王の耳元で囁いた。
なんだろう、と首をかしげているアキラ王の腕を取って、レッドは彼を楽屋の一つへ連れ込んだ。



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