裏階段 三谷編 6
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周辺部分を口に含んで中央の固くなった小さな突起を舌で叩く。少し強く唇を押し付けると
彼の薄い皮下脂肪の下の胸骨を感じる。心臓の鼓動が若干速くリズムを刻んでいる。
最初にあげた小さな声の後は彼は黙って愛撫を受けていた。
一通りの手順を踏んで彼の体内に精を放ち、それで終了する。それだけのものだ。
タイトルホルダーとなって後援会の会長に引き合わされる人物の人数や種類が増えた。
その内の一人が彼を、この少年をオレに紹介した。どういう意図があったのかは分からない。
「そこそこに打てる子だが碁を教えてやって欲しい。」含みのある顔でそう言われたが
その時は断った。彼自身がそれを望んでいそうになかった。
その後、意外な場所で彼と再会した。正確には彼を見かけた、だったが。
唇を離してもう一方の突起へ移動させる。今まで刺激を受けていた方は
艶やかな赤みにくっきりと形を顕わし、白く平らな胸と僅かな色の違いだけで
一体化しているもう一方とは異なるパーツのような様相になっていた。
沈黙しているもう片方にも行為を加える。
今度は強めに吸い小さな先端に歯を立ててやった。口の中で瞬時にそれは形を変化させた。
顔を見ると、彼は相変わらず視線をどこか別の空間に据えている。だが下腹部では
確実に変化を起こしている。この年頃の男子は獣同然だ。自分が望むと望まざると
関わらず性的な刺激を肉体的に受ければ嫌でも体は反応する。
進藤も、アキラもそうだった。この少年も同じだ。そして、かつての自分がそうであった。
「痛…っ!!」
一瞬噛む力が強くなり過ぎた。彼が声をあげた。
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