性の目覚め・12才ヒカル 6
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「なんか変…気持ちワリィ…」
両手で股間を押さえ、不安そうに口を尖らせてて佐為に訴える。両手の間からちらり、
とズボンの布が押し上げられているのが分かった。あまりにも幼い、あまりにも未熟な
ヒカルに愛おしさを感じる。
――ヒカル…
佐為はヒカルの元へと移動し、ズボンの下で小さいなりにも頑張って立ち上がっている
それにそっと手を乗せた。
「――っ、…ぅ」
ヒカルが眉をきゅっと寄せて息を詰める。
他人には、おふざけでしか触らせたことの無い所だ。それを佐為に撫でられ、しかも彼
の表情はふざけたものではなかったので――ヒカルは動揺した。
「…なに…?」
今まで、こんなに近くで佐為に見つめられたことは無い。端正なその顔と視線を間近に
感じ、ヒカルの顔はカッと熱くなった。
――いいんですよ、ヒカル
佐為はニッコリと微笑み、言い聞かせるように繰り返した。
――いいんですよ…
「…、あ、…」
――こんな風になったのは初めてですよね?
事情は未だによく飲み込めていないが、淫猥な雰囲気を感じ取ったヒカルは耳まで真っ
赤にしたままこくりと頷いた。
佐為の手はするすると撫でさするようにヒカルの上を蠢いている。
佐為は幽霊だ。ヒカルに触れるはずが無い。はずが無い――のに、実際に触れられてい
るように感じるのは何故だろうか。とんでもなく違和感を感じているのに、佐為の手を
払いのけることができない。身体が痺れたように動かない。ただ、股間を中心にじわじ
わと何かの感覚が支配しているようだ。
行き場の無い自分の手が、床のカーペットを毟るように動く。
「…ふ……っ、ぁ…」
…と、佐為は突然ヒカルに触れるのを止めた。
――ズボンを脱ぎなさい、ヒカル
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