大人遊戯 6
(6)
「緒方さんは、女の人の舌を舐めてたんだ。女の人も緒方さんの舌を舐めてた。それもしてみようよ」
「うえっ!?だって、そんなの、何か気持ち悪くないか?」
保健体育の授業を受ける前までキスだけで子供が出来ると信じていたヒカルには想像もつかない行為だった。
「うん、ボクも最初はそう思ってたんだけど、でも気持ち良さそうだったよ、二人とも」
そう言われれば、やってみようかと好奇心が湧いてくる。子供達はお互いの舌をペろりと舐めてみる。
先ほど飲んだアップルジュースの味がした。二人でその甘さを夢中になって貪る。
「んっ…っ、ふっ…ぅ」
「…はぁっ…んっ」
息が上がってきて苦しくなり、どちらからともなくゆっくりと顔を離すと唾液の糸がつ、と伝った。
「んっ…進藤くん、ねえ…どう?気持ち、悪かった…?」
「わ、わかんねー…よ、息が、苦しくって。でも…思ったより美味しかった」
多分それはジュースの味だったのだろうが、ヒカルが想像していた気持ち悪さはなく、甘さだけが残った。
ヒカルの言葉に、アキラは嬉しそうに頷く。ヒカルとのキスは想像していたそれよりずっと気持ちが良かった。
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