ピングー 6


(6)
股間同士をゆっくりと押し付けるように擦りあわされ、乳首を交互に嬲られるうちに、
体の奥底でむずがゆいような、もどかしいような感覚が掘り起こされてくる。
「んっく」
ヒカル自身のさっきまで怯えて委縮していたはずの中心も、今は布を持ち上げて存在を
主張し、緒方の股間が擦りあわされる度にさらに角度をきつくしている。
自分の喉を通る息が、熱を帯びているのがヒカルにも分かる。
「ずるいよ……」
「何が?」
この大人は、経験とその手管にものを言わせて、自分の領域にヒカルを引きずり込んだ
のだ。
セックスという名の言葉を使う、大人同士にしかわからない領域だ。
ここでは、経験の浅い子供のヒカルは右も左もわからない。
わからないままに、気付けば、緒方の手はヒカルのズボンを下ろし、陰茎を弄んでいて、
はじめて他人にそんな所をいじられる快楽と興奮にヒカルが我を忘れているうちに、
シャツを脱がされていた。
いつ脱がされたのかもわからない鮮やかな手並だった。
あらわになったヒカルの肌の上を、緒方の唇が赤い跡を残しながら移動していく。
最初はチクリチクリと、痛みにしか感じなかったそれが、やがて場所によってはくすぐったさ
に変わり、さらに痺れるような不思議な感覚に変わるまで、十分もかからなかった。
ヒカルの体の要所要所を一巡して、緒方の唇が再び左の乳首に戻ってきて、その尖端に
触れたとき、ヒカルは思わず切なげな声を上げていた。
「おまえ、こっちの才能もあるんじゃないか?」
笑いながら緒方は、ヒカルの陰茎を擦っていた手の動きを急激に早めた。
ヒカルは小さな呻き声を上げて、すぐに果ててしまった。



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