天涯硝子 6


(6)
下腹に流れるそれを冴木は指ですくい、ヒカルの後ろの門を濡らした。
ヒカルのその入り口を指をそろえて撫でさすった後、指をゆっくりとヒカルの熱くなった身体の中に侵入させる。
指を入れられ、蠢かされる感覚にヒカルは首を振った。
「……んんっ」
「進藤のここ、…柔らかいな」
ヒカルの胸に口付けていた冴木が、少し笑いを含んだ声で言う。
すぐに指の数を増やし、今度はより深く中に押し込み、指を曲げて中を抉るようにしたとたん、
ヒカルが身体を仰け反らせ悲鳴を上げた。
「…ン、アァッ!」
「…?!」
どうやらヒカルの一番イイところに、いきなり触れてしまったらしい。
「…ここが、イイのか?」
冴木がヒカルの耳元に口を寄せて聞いてきた。
ヒカルは自分が上げてしまった声と、冴木の指の動きに湧き立った身体の中に隠されていた感覚に驚いて、黙り込んでしまった。
「ここか?」
冴木が同じ場所を強くこする。
指先で突くようにするとヒカルの後ろの門は強く冴木の指をしめつけ、
ヒカルは強烈な快感に火のように包まれて、さらに大きな悲鳴を上げた。
「…ヒ、アアァッ!」
ヒカルのそこは、冴木の指を飲込み吸いつくようにしているというのに、
ヒカル自身はその焼かれるような快感から逃れようと、もがき始めた。
「…ああっ…ああ!はぁっ…いや!いやだっ…!」
身体をびくつかせ冴木の腕に爪を立て、冴木を身体から押し退けようとする。
ヒカルの小さな身体の、そんな抵抗を封じ込めることなど冴木には簡単なことだった。
冴木は体重を掛け、激しくよがり狂うヒカルの身体を押さえ込むと、
指を三本に増やし、さらにヒカルの中の薄い粘膜を突き破ろうとするように指を立て、
その場所をきつく責め立てた。
冴木の腹の下で、ヒカルの歳の割りにはまだ幼い性器が痛みを伴いながら再び固く張り詰め、
びくびくと震えだす。
「ああっ!あぁ!離してぇ…いやあぁぁぁ!!」
ヒカルが頭を打ち振るい、喘ぎながら何度も高い声で訴えた。

ヒカルは背を大きく反らし、息を弾ませながら重く痺れるような快感の余韻の中にいた。
やっと冴木から解放され、ヒカルは溢れてしまった涙をぬぐった。
爪先にも指先にも蜜の中を泳ぐような甘い感覚が残っていて、
涙を拭くために手を顔に持ってくるのがやっとだった。
冴木は指を引抜き、胸を大きく上下させているヒカルの身体に、
生きていることを確かめるように指をすべらせた。
そして何もヒカルに声を掛けないまま、ヒカルの腰を抱え上げ、
膝に滑り上げるようにして自分のモノを押し当て、昂ぶった身体をヒカルの中に沈めていった。
まだ、冴木の指が身体の中にあるような感覚が残っている。
それを打ち消すようにヒカルの中に冴木自身が入ってくる。
ヒカルが身を捩らせ、甘い声をあげて強い快感から逃れようとするのを、
力でねじ伏せてきた冴木に、ヒカルは今までにない恐さを感じていた。
やさしくするとは言いはしたものの、もう冴木はそうできないだろう。
体格の差を頭の隅において、やさしく扱おうとする理性などとうになくし、
獣ののような荒々しさでヒカルを責め立てて来るだろう。
その証拠に指でいかされ、息を乱したまま快感の余韻に浸るヒカルを少しも休ませずに、今また貫いてきている。

落とし込まれる冴木の熱い塊にヒカルが身を震わせている。
異物が侵入してくる圧迫感に腹が破れそうだろう。



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