やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん癒し系〜 6


(6)
「どうしたんだよ、これ…」
薄暗い月明かりで今まで見えなかったが、近くで見るとそれはよく見えた。
何かで強く叩かれたような赤く腫れた痕や鬱血した痕が無数に小さな体に散らばっていた。
ヒカルたんはよく見ようと手首をつかんで引き寄せようとした。
若゙キンマンは激痛に顔を歪める。見ると手首にはずっと縛られていたような痕があった。
そしてこれらがまだできたばかりの傷であることがわかると、ヒカルたんは若゙キンマンの
身に何が起こったのか察した。
「これって、おまえ…」
ヒカルたんに見られるのが怖くて、若゙キンマンは手を振り払うと急いで岸へと上がった。
その後をヒカルたんも追う。そして岸に上がった若゙キンマンの白い内ももに、うっすらと
赤い線が無数に走るのを見て確信した。
「なァ、おまえそれって合意の上だったのか? それとも誰かに無理矢理やられたのか?」
ヒカルたんの問いに答えず、若゙キンマンは服を着る。
「おい、無視すんなよ。おまえそれがどういう意味なのかわかってるのか?」
「うるさい。キミには関係ないだろう」
そう言うと若゙キンマンはヒカルたんを睨んだ。
「関係ないかもしれねーが、こんなおまえを放っておけないだろ!」
その言葉を聞いて若゙キンマンはヒカルたんへ飛びついた。そして思い切り押し倒すと、無
理矢理キスを迫る。
息もできないくらい激しく貪られたことと、愛しいトーマスを裏切るわけにはいかない気
持ちから、ヒカルたんは若゙キンマンの唇をかじった。
「何すんだよっ」
息を荒げながら若゙キンマンを睨む。だが若゙キンマンは唇から流れる血をぬぐおうともせ
ずにじっとヒカルたんを見つめる。
「これがボクだ。…わかったらもう、…近づくな」
そう言うと若゙キンマンは森の中へ姿を消していった。
その消えていく様をじっと見つめる。ヒカルたんは頭の片隅に何か引っかかるものがあっ
て、ずっと動けないでいた。



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