肉棒だらけの打ち上げ大会 6 - 7


(6)
「コラ〜和谷、チョロチョロと逃げ回るな!
師匠であるオレの言うことが聞けんのかあぁ!?
恩返しのつもりで裸にならんかい、塔矢門下にこれ以上大きな顔をさせて
たまるかっ!!」
「恩返しなら別の時にするっス! こんなの嫌ですよぅおぉっ!!」
和谷は必死な形相で逃げ回り、その後を森下が裸で追っかけているマヌケ
な光景に気をとられている芦原・奈瀬を尻目にヒカルとアキラは、
こっそりと会場を抜け出した。
「アレ? 進藤君とアキラがいないゾ」
少し経って芦原が二人がいない事にやっと気付いた。
「あー、本当だ! 逃げられちゃったか。
でもあと少しで和谷が裸になりそうだし、まあいいかな。
絶対シャッターチャンスは逃さないわよ、明日美ふぁいとっ〜!!」
握りこぶしを振り回し、目をキラキラ光らせている奈瀬を見て芦原は
──そのぐらいの勢い・真剣さでプロ試験に挑めば受かるんじゃないか?
・・・と思ったが、それを言うとブッ飛ばされそうな気がしたので黙って
いる事にした。


一方、ヒカルとアキラはホテル内の温泉浴場に来ていた。
「ふぅ〜、ここまでくれば安全かな?」
ゼェゼェと荒く息をするヒカルの目の前に、額に汗を滴らせるアキラの顔
があった。黒水晶のような光沢ある瞳に、強い意志を感じさせるシャープ
な眉。
そして、艶やかかな唇に蒸気し汗でしっとり濡れている白い肌。
ヒカルは思わずゴクンと喉を鳴らし、アキラの腕をつかみ自分の方へ引き
寄せた。


(7)
「どうしたんだ進藤?」
額から零れ落ちる汗を指で拭いながら、アキラは怪訝そうな表情をヒカル
に向けた。
「塔矢・・・・・・ダメ・・・?」
アキラはヒカルの意図にハッと気付き、目を丸くした。
「ここでか? 誰かが来たらどうするんだっ!」
「大丈夫だよ」
適当な事を口にしながら、ヒカルはアキラの浴衣の袖から両手を入れて、
直に体を弄る。
「し、進藤・・・・ダメだ、こんなところで・・・っつ!」
「もうこんなになってる・・・」
「キミが触るからだろっ!」
アキラの胸の突起はヒカルの指による刺激で徐々に硬くなっていた。
その反応に気を良くしたヒカルは、さらに下の方へと手を伸ばす。
「・・・・くっ・・・・・だっ、ダメだ止めろ!」
キッと諌める目線をヒカルにぶつける。すると、ヒカルはシュンとなって
肩を落とし、物欲しげな子犬のようなつぶらな瞳でジッとアキラを
見つめる。(どうする・アイフル〜状態)
──ううぅっ・・・・・・・。 
そんな目されたら、まるでボクのほうが悪いみたいじゃないか!?
結局、根負けしたアキラは渋々ヒカルの要求を呑んだ。
ヒカルはニッコリと顔をほころばせて、「へへへ・・・」と言いながら
アキラをギュッと抱きしめキスをした。


丁度その頃、宴会会場では関西棋院のプロ棋士達が「六甲おろし」を
大合唱していた。



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