嘆きの少年王・訂正編 6 - 7


(6)
撮影は無事終了した。
急な事で心の準備が伴わなかったため、実は少々あがっていたアキラ王は、ほっと
小さく溜息をついた。そして、かたわらのレッドに微笑みかけた。
「今日はどうもありがとう、レッド。キミのおかげだ。」
「なんでもねーよ、これくらい。」
へへっと笑って、レッドは頭を掻いた。
「おまえ、そーゆーかっこ、似合うなあ。」
アキラ王の浴衣姿をうっとりと見詰めて、レッドは言った。
レッドの視線に、アキラ王は思わず頬を赤らめた。
その様子に、レッドは目をキラリと輝かせ少しいたずらっぽく笑った。
「あのさ、今日の事、ホントにオレのおかげだと思ってる?」
「ウン。」
「ホントに?」
「ああ、キミが迎えにきてくれるなんて、本当にボクは嬉しかった。」
「それじゃあ、一つだけ、言う事、聞いてくれる?」
レッドがアキラ王の耳元で囁いた。
なんだろう、と首をかしげているアキラ王の腕を取って、レッドは彼を楽屋の一つへ連れ込んだ。


(7)
カチリと後ろ手でドアのカギを締め、レッドはアキラ王を見詰めた。
「なんだ、進藤?なんのつもり…?」
「塔矢の浴衣姿ってそそるよなあ…」
「進藤!?」
「オレさぁ、一度やってみたかったんだ。何でも言う事聞くって言ったよね?」
そう言ってアキラ王の腰に手を伸ばし、帯の結び目を素早く解くと、一端を強く引っ張った。
「わっ、バカっ!よせっ…」
よろめきそうになったアキラ王の身体を、レッドが支えた。
「やっぱさ、キモノといったら、帯くるくるーって脱がせてみてぇじゃん?」
「バッカヤロウ…何を…あっ…ん……」
抗議しようとするアキラ王の唇を、レッドの唇が塞いだ。
そのまま二人の身体はもつれるように床に倒れ込んだ。
「ん……しん…どう…」
浴衣の前をはだけられたアキラが、自分の上にのしかかるヒカルのTシャツに手を差し入れ、
彼の身体を探る。その動きがもどかしくて、ヒカルは素早く服を脱ぎ捨てた。
「今日はおまえがオレの言う事きくんだから、オレが上でいいよね?」
「いいよ、そんなのどっちだって。」
クスクス笑いながらアキラが応え、ヒカルの首に手を回して唇を重ね、舌をさし入れた。


オガタンが、いつかは散らしてみせると誓ったアキラ王のパールピンクの菊門が、
既にイゴレッドに破られてしまっている事を、城に1人放置されたままのオガタンは、
未だ、知らない。

−完−



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