平安幻想異聞録-異聞- 番外 6 - 7
(6)
ヒカルは新たな涙を目ににじませた。もう、何もわからなかった。
今まで自分が言おうとしていたことも。男の笑い声も。苦痛も。
わかるのは自分の体を刺し貫く快感だけだ。
男に揺すられるままに嬌声をあげる。
「あぁ、やっ、やっ、ひっ、あっっ、あ…」
水がかき回されるような淫猥な音をさせて、ヒカルの秘門の中からにじみ出た、
今までの男達の精液が、男の陽根と秘門のとば口との間で、
血と混じりあって泡立っている。
ヒカルの瞳にあらたな涙がにじんでいた。
男は更に息をあらげ、自分の腰を動かすだけでは飽き足らず、
ヒカルの腰もがっしりと掴んで、それを律動にあわせて自分の股に
おしつけるようにしていた。
「あぁ、あぁ、あん、ひっ、あっ、あっ、あぁ!」
ヒカルが首を強く打ち振り、涙が夜風に散った。
「あまり激しくして壊すなよ」
横から男の誰かが横槍をいれたが、無視して男の動きはさらに強引になり、
より強い衝撃が幼さの残るヒカルの肢体を襲う。
「あ、ああああっっ」
ヒカルが強く足をつっぱらせた。同時にぎゅうとしめつけてきた内壁の狭さに
男は「ムン…」とひとつうめくと、その一物を震わせて、
ドクリドクリとヒカルの中に、白い体液を注ぎ込んだ。
(7)
荒々しいまぐわいの後。
荒い息遣いだけが、夜の竹林の中に聞こえる。
一人目の男は、ヒカルと他の男の交わりを見ているうちに
ふたたび固くなってしまったのであろう。自分の一物を摺り上げ、
悲鳴を上げるヒカルを見物しながら一人で達してしまい、
やはり荒い息をついていた。
たまりかねた3番目の男――先程、ヒカルに陽物を銜えさせようとして
噛みつかれた男が、まだヒカルを放さない2番目の男に詰め寄った。
「は、はやく代われ!」
「まぁ、そう、せくな。時間はたっぷりあるさ。おまえさんは
もう少し向こうで見物してな。その噛みつかれた摩羅が
元気を取り戻すまでな」
見ると、少年の痛々しく陵辱された秘門から半分ほど抜かれた男のくさびは、
すでにふたたび固くなりかけてる。
「最初は少々おれもせいちまったからな。今度はじっくり味わうさ。
せっかく菅原様が下賜してくださった美味い肴だ。
ゆっくり貴族さまの雅な趣味のお裾分けをもらうとしようや」
「雅ねぇ、確かにそうかもしれんな」
ヒカルはその話を聞いているのいないのか、まだ男のモノを半分
身のうちにくわえ込んだまま、土と破られた狩衣の上に、じっと身を横たえている――。
死んでしまったようにも見えたが、わずかに上下する胸がそうでないことを表していた。
筋肉のつききっていない幼さの残る体は、快楽の余韻に震えながら
ほんのりと上気し、白い太ももの内側は、いまや血と精液にまみれて汚れていたが、
それでもかぶり付きたくなるほどに柔らかそうだった。
その股の根元につく男の印もまだ色も浅く、初々しく、愛らしいといってもいい代物だ。
瞳は薄く開いていたが、放心したようにどこか空ろで、虚空を見ている。
半開きになった薄い唇は、男に頬を打たれた際に切ったのであろうか?
血がにじんでうっすらと赤く染まり、ますます男を誘っているようだった。
そして、そのふっくらとした頬には、土にまみれ乱れた髪が、一筋、二筋、
汗でしっとりと張り付いており、たまらなく扇情的な光景になっていた。
「たまんねぇな…」
男達がつばを飲み込む。
戒められた手足は哀れをさそったが、そのさまさえも、なにか、
触れてはいけない美しいものを力ずくで自分達のものにしているようで、
男達の欲望を刺激していた。
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