Linkage 63 - 64


(63)
 互いの口腔内を貪欲に貪っていた2人だったが、やがて緒方を捉えていたアキラの腕から
力が抜け、音もなく滑り落ちた。
緒方はそれに気付き、湿った音を立てながら唇を離す。
アキラは名残惜しげに互いの唇を繋ぐ透明な糸を見つめながら、後頭部を枕に深く沈めた。
 瞳を閉じて荒い呼吸を繰り返すアキラにしばらく見入っていた緒方は、身を起こすと
サイドテーブルに腕を伸ばし、ワセリンの容器を掴み取った。
それをバスローブのポケットに入れると、ベッドの中央で仰向けに横たわるアキラの身体を
抱き上げて枕を取り去り、同じ場所に今度は俯せに寝かせる。
 緒方は手にした枕を俯せになったアキラの下腹の下に滑り込ませ、腰を抱え上げた。
アキラは顔をやや横に傾けはしたものの、相変わらず早いピッチで呼吸を続けるだけで、
謎めいた緒方の行為に何ら抵抗しない。
 白く滑らかな皮膚に覆われた臀部を突き出したアキラを満足そうに見下ろしながら、
緒方はワセリンの蓋を開け、薄いクリーム色の中身を2本の指でたっぷりと掬い取ると、
目の前に露わになったアキラのアヌスに丹念に塗り込めていった。
「……ひッ………や…アッ………」
 経験したことのない感触に、アキラは身体をびくつかせ、小さく呻く。
そんなアキラに構うことなく、緒方はワセリンの絡みついた中指でアキラのアヌスをなぞると、
指先をそっと滑り込ませた。


(64)
「やァッ………や…め………」
 アキラが抵抗しようと身を震わせた瞬間、アヌスに食い込ませた指を一気に
第二関節まで押し進める。
きつく締めつけてくる熱い内壁を指の腹で擦り上げながら、緒方は時間をかけて、
アキラが生まれて初めて受け入れたアヌスへの侵入物を馴染ませていった。
緒方の努力の甲斐あって、徐々に軟らかくほぐれてきたアキラのアヌスに、
ようやく2本目となる指を滑り込ませると、度々跳ね上がりそうになるアキラの
腰を押さえていた手を離した。
下腹に挟んである枕と太股の合間を縫って、アキラの股間にその手を差し入れると、
枕を強く押す怒張したアキラのペニスを握り、軽く扱いてやる。
「…あァンッ………はァ……んンッ……」
 ペニスへの刺激に嬌声を上げるアキラの様子に苦笑混じりの安堵の表情を浮かべ、
緒方は3本目の指をアヌスに挿入した。
股間に回した手を更に伸ばし、蟻の門渡りを指先でなぞると、緒方の指の抽送を
促すかのように、アキラのアヌスがひくつく。
(……初めてでコレか……)
 あまりに素直なアキラの反応に半ば呆れながらも、緒方はアキラを十分に慣らすため、
手間を惜しむことなく指の抽送を繰り返した。
 頃合いを見計らって、緒方はアキラの中から指を引き抜くと、身に纏っていた
バスローブを荒々しく脱ぎ、床へ落とした。
露わになった緒方のペニスは既に熱く猛り、下腹を擦っている。



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