無題 第2部 66
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アキラの声が、指を動かす音が、緒方に見せ付けるように、聞かせるように、殊更淫猥に響く。
次第にアキラの喘ぎは激しくなり、その音も更に激しさを増す。
そしてアキラの声が高く響いた。
見たくないと思うのに、思わずそちらに目をやってしまった緒方のその視線を、アキラの瞳が
捕らえた。薄く開けられ、とろけるように濡れた瞳が緒方を見た。
それからゆっくりと視線を動かし、緒方自身が高まりを見せているのを確認すると、満足げに
薄く微笑んだ。
―淫婦め…!
緒方は心の中で罵った。その間も、アキラは自分への指技を止めない。
「んっ…あぁっ…がた…さぁ…ん」
自分で与える刺激にアキラは首を振り、喘ぎ声をあげながら緒方を呼んだ。
そして、哀願するような瞳でもう一度緒方を見た。
「…て、おが…たさ…ん…、」
もう一度、視線が絡み合った。
「きて…ボクの指じゃ…届かない…」
その呼び声に、緒方はあやつり人形のようにふらりと立ち上がる。
初めて見せ付けられたアキラの媚態に、既に緒方は雄々しくそそり立っていた。
無言のまま、アキラの両脚を掴んで開くと、一気にアキラに突き立てた。
アキラの嬌声が室内に響いた。
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