失着点・龍界編 66


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少し離れた所でそんな二人を見つめている三谷がいた。
和谷と伊角がそんな三谷の姿に気付いて和谷が声をかける。
「…うらやましいだろう、あいつら…。」
和谷と伊角が何かとても大切なものを見守るように長椅子の二人を見る。
「ああ…」
三谷もまた、同じようにヒカルとアキラを見つめる。
「三谷、…お前がああしなかったら、オレがやっていたかもしれない。
でなければ進藤がやってた。でもそんなマネだけは絶対あいつにさせたく
ないからな…」
「…何のことかな…」
和谷の言葉をはぐらかすように三谷はとぼけると廊下を立ち去っていった。
和谷と伊角もお互い見合わすと、ヒカル達に声をかける事無くそっとその場を
離れていった。

その二人と入れ違うようにヒカルとアキラのところに近付いてきた人影の
足音がヒカル達のすぐそばで止まった。
ヒカルはその相手を見ず、目を閉じたままのアキラの肩をグッと
より強く抱いた。
「…心配するな、進藤。誰ももう君からアキラ君を引き離したりしないよ。」
耳なれたその声に、おそるおそるヒカルは視線を上げる。ヒカルと同じ
ように顔の数カ所に大きく絆創膏を貼られた緒方が優しく笑んで立っていた。
右手には手首まで包帯に覆われている。結果的に沢淵とまともにやり合った
緒方が最も重傷を負ったこととなった。



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