失着点・龍界編 67
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病院内の別の場所で、今まで緒方は二方の両親を説得していた。
『今夜はあの二人を一緒にしておいてあげるべきだ。…というより、絶対に
今あの二人は引き離すべきじゃない…。』
身を呈して子供達を救出してくれた緒方の言葉に両方の親が折れた。
ヒカルの母親は多少不満そうだったが父親が説得した。
行洋はただ緒方に頭を下げた。緒方は首を横に振った。
『アキラ君は被害者です。…そして、アキラ君を救えるのは進藤君しか
いません…。』
そしてとりあえず今夜だけ、緒方が二人を預かると言う事を了承して
もらったのだ。
「オレと一緒に来い。」
緒方に言われるままにヒカルはアキラとともについて行った。
アキラは黙ったままヒカルに抱きかかえられるように歩く。その
手はヒカルのシャツの背を固く握りしめたままだった。
そうして3人でタクシーに乗り、着いた場所は緒方のマンションだった。
「明日午後迎えに来てやる。今夜はアキラ君のそばにについていて
やっていてくれ、進藤。」
緒方は片手で血がついた衣服を着替えながらそう言った。ヒカルが
びっくりしたように緒方を見つめる。
「緒方先生…」
「部屋の中の物は自由に使っていい。シーツも今朝替えてある。」
「…緒方先生…!!」
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