平安幻想異聞録-異聞- 68


(68)
どこかで最初のトリが時を告げ、賀茂邸の明かり採りの窓から、少しひんやりした
秋の朝の風が吹き込んだ。
ヒカルが意識を取り戻したのはアキラの膝の上でだった。
体中のどこにも力が入らない。まるで自分の体ではないようだ。
自分達は昨夜の姿勢のまま、アキラはヒカルの上半身をかばうように抱え込み、
ヒカルはその膝の上に体重を預けた姿勢で気を失っていたらしい。
灯明台は倒れ、寝所はぐちゃぐちゃに乱れ、部屋はひどい有り様だった。
「ぼくは何も見ていないから」
突然降ってきた声にヒカルは驚いて、目だけで自分の上にあるアキラの顔を見た。
アキラがつむっていた目をゆっくりと開いた。起きていたのだ。
「ごめん」
アキラがつぶやくように謝った。
何もできなくて、ごめん。と。



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