失着点・龍界編 68


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ヒカルが涙ぐむと、緒方は二人の前に立ち、左手でヒカルと、そしてアキラの
頬をそっと撫でた。
「まだいろいろ面倒があるかもしれんが…二人なら乗り切れるだろう。」
そう言って緒方は二人だけ残して玄関を出て行った。
戸惑いながらも緒方の好意に感謝してヒカルはアキラを見る。
アキラは無言で緒方が出て行ったドアを見つめていた。確かに、この調子で
アキラの様子はずっと少しおかしかった。レントゲンで骨に異常は
なかったものの、何か透明な膜がかかったように反応が鈍い。気のせいかも
しれなかったが。気のせいだと思いたかった。
「…疲れたよね、塔矢。とにかく、休もう…。」
ヒカルはそう言ってアキラをベッドルームに連れて行った。緒方の部屋の
内部が分かる自分をアキラが不思議そうに見つめているような気がした。
「…実は、尋ねて来た事があるんだよ。2回ほど」
アキラがそれ以上に何かを聞いて来た時は正直に話そうとヒカルは覚悟した。
「…ボクも来た事があるよ…一度だけ…」
アキラは素っ気無くそう答えただけだった。
「そ、そう。」
ヒカルはアキラの制服とズボンを脱がしてベッドに横にさせようとした。
「…全てボクのせいだ…」
「…え?」
アキラの体がカタカタ震え始めた。



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