○○アタリ道場○○ 7
(7)
「わー、べちゃべちゃだああっ」
4歳のチチャーイおかっぱは、楽しそうに壺に両手を突っ込み、ぬかを
コネコネする。
ネチャネチャとした感覚が楽しくて、覚えた手の歌を歌いだす。
「ほーらぁ おしょれないーで みーんなのためにぃ
あいとゆーきだけが とーもだーちぃさあぁあー♪」
「ほらアキラさん、コネコネしてばかりいないで、人参さんと
キュウリさんを その中に漬けてちょうだいな」
「はあぁ〜い、わかりましたぁあ!」
チチャーイおかっぱは いきなりズボッとぬか床から両手を抜き取る。
すると、勢い余ってぬかが飛んで、チチャーイおかっぱの頭や顔にベタリと
ついた。
「わぁああっ〜、くしゃいよおっ〜!!」
チチャーイおかっぱは、今にも泣きそうな表情をする。
「あらあらアキラさん、そんな元気に触ると そういうことになっちゃう
のよ」
明子はチチャーイおかっぱについたぬかをタオルで取り、おだやかに笑う。
・・・そんな事を思い出しながら ぬか床をこねていると幼い頃に、昔よく
歌っていた歌が自然と口から出る。
「ほーら おそれないーで みーんなのために
あいとゆうきだけが とーもだーちさあー♪」
(↑日本の囲碁界を震撼させている15才・射手座・AB型の天才おかっぱ
棋士)
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