光明 7


(7)
アキラは拍子抜けて目を丸くし それと同時に笑いが込み上げプッと噴出した。
「あっ 笑ったなぁ塔矢! CCレモンをバカにするな オレは好きなんだよっ!」
いたく憤慨するヒカルを横目にアキラは腹を抱えて笑った。
自分の中で緊張した何かがヒカルと会った事で ゆるやかに解けていくのを感じた。
「いや・・・キミらしいなあと思って。」と涙目で答えるのが精一杯だった。
ヒカルに会えて良かったと素直に思った。

アキラはヒカルと一緒に歩き出した。ヒカルが行くコンビニがアキラが帰る方向と同じだった。
「お前も無茶するなあ。風邪引くぞ。」
「そうだね。自分でもそう思うよ。」
いっそう冷え込みが増して寒さが厳しくなり両耳がピリピリと痛み出した。
寒さと同時に空気が一段と澄んできて二人の話す声が辺りに軽く響く。
やがてコンビニに着き、ヒカルはカゴに目当てのCCレモンとスナック菓子を次々と入れた。
アキラは体の芯が冷え切っているので とりあえずホットコーヒーを買い一足先にコンビニを出た。
店の明かりが かろうじて当たる駐車場の隅で店を背にしてコーヒーを飲み やっと一息ついた。
その時「塔矢!」とヒカルの声が後ろから聞こえたので振り向くと
アキラの左頬に柔らかく熱い物が当てられた。
「・・熱っつ! 何するんだ進藤っ!?」
アキラの頬に当てられたのは肉まんだった。
「へへっ さっきオレを笑った仕返しだ。 お前体冷え切っているだろ それ食えよ。」
「あ・・ありがとう。」とアキラは肉まんを受け取った。
正直食欲はなかったがヒカルの気遣いが嬉しかった。
ヒカルの左腕にはジュースのボトルとお菓子が入ったビニール袋をひじにぶら下げ、
左手は沢山の肉まんが入った紙袋を抱えていた。
そして 一個の肉まんを右手で約3・4口でガツガツと食べ、あっという間に平らげた。
華奢な体によくあれだけ入るものだとアキラは感心した。



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