heat capacity2 7


(7)
「……オレが、辛い?」
セックスしている最中に?
そんなことない。俺は、塔矢で満たされてるその瞬間が嬉しくて、嬉しくて……。
「上手く言えないけど、追い詰められて、その……している、というか、そうするしか
手段が無いみたいな感じがする」
「……」
「中身が無いんだ。酷く猛っているのに、掴めない。ただ、切迫してる風にすら見える。
まるで、身体さえ繋がっていればそれでいいみたいな────」
背筋がゾクリとした。
「ボクは、そんなのは嫌だ。形骸化したセックスなんて意味が無い。キミが満たされな
いのなら、身体を繋いだって虚しいだけだ」
「ちが……違う! だって、『それ』を必要としてるのはオレだろ!?」
「違うよ。さっきも言ったけど、必要としてるんじゃ無くて、それしか方法が無いんだ。
何故そんな風に考えるんだ? ボクが信用出来ないから?」
「違う、違う! そうじゃない……っ!! オレが、オレが……」
俺が佐為じゃないから。
そしてお前が好きなのは、もしかしたら佐為なのかも知れないからだなんて、どうして
言える?
「満たされているだなんて思い込まなくていいんだ。キミが足りないと思うのなら、ちゃ
んとそう言ってくれ。それとも、ボクがキミを苦しめて、追い詰めているのか?」
「違うっ! オマエは悪くない……っ。お願いだから、そんな風に言わないでくれ…」
胸がぎゅうぎゅうと締付けられるみたいだった。
息苦しくなって、胸に強く手を当てて押さえ込んでいると、塔矢が俺の頭ごと全身を抱
いてきた。
「大切なんだ。好きだ、愛してる。だからキミだけ傷付いているのは嫌だ。ボクじゃ、
その痛みは肩代わり出来ないのか?」



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル