守って!イゴレンジャー 7
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「醜悪だな…見てられん」
「そうか〜?なかなかキュートだと思うけどな〜」
「…お前とは趣味が合わないようだ」
渋面のオガタンに対し、アシワラーはキューティーに好意的だ。
そのキューティーは棋院ロボを見るなり、アキラに不満をぶつけた。
『アキラたんよ…オレを誰だと思ってるんだ?相手をするなら百戦錬磨の
ナイスガイが良いと常々言っているだろう…』
「とりあえず公の場でアキラたんと呼ぶのはやめてもらおうか」
「お前アキラたんって呼ばれてんの?」
聞きなれぬ声に少年帝王の顔が険しくなった。
「誰だッ!──お前はイゴグリーン。ボクの命を狙ってここまで来たな!?」
「あー、チガウチガウ」
和谷は顔の前で手を振ると、真面目な顔つきで提案した。
「オレとブルーとイエローの三人は休戦だ。レッドが捕まっている以上
人質の安全を確保することが最優先だからな」
「じゃあ、あの棋院ロボは何だ!」
「あれはピンクの単独行動だ。ロボットを動かすのがアイツのストレス解消法」
その頃奈瀬は健気にも、巨大怪人に攻撃を仕掛けていた。
「頼りにならないアイツらの分まで私が頑張らなきゃ!
“アゲハマブーメラン!”」
棋院ロボは頭に乗せている碁笥蓋をカポッと外し、
キューティーめがけて放り投げた!
『──受けねェよ』
キューティーは扇子をシャッと開く。そこに書かれた“満身可憐”の文字が
ピンク色に怪しく光る。
ひらりとひと扇ぎしただけではね返される碁笥蓋!
そんな仲間のピンチには見向きもせず、和谷は伊角に囁いた。
「ブルー、今がチャンスだ」
「え?」
「帝王も怪人どもも戦いに気を取られている。その隙に柱に括り付けられている
レッドを救出しよう!」
「グリーン…」
先程のヤッちゃおう話はやはり冗談だったのか、自分は信じやすいから
すっかり騙されちゃったぜちくしょう、でも嘘でよかった、ただれたオレを
許してくれレッド、と自己反省中の伊角に向かって、和谷はさらに
こう言うのだった。
「その後レッドを藪の中に連れこもーぜ」
レッドは誰に奪われた方が一番幸せなのか?
残酷な天使のテーゼを抱えながら待て次週!好手戦隊・イゴレンジャー!!
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