大人遊戯 7
(7)
唐突に、アキラはヒカルのトレーナーをめくりあげ始めた。
「わっ!わっ!何すんだよっ、いきなりっ!寒いじゃんか!」
ヒカルはアキラの腕を掴んで動きを阻もうとしたが、アキラは止める気配を見せない。
「だって、脱がなきゃ。そうしないとセックス出来ないじゃないか」
きょとんとした瞳に見つめられ、ヒカルは今度こそ混乱した。
「…エエエッ!?せっ、せっ、それって…な、何でオレとお前がエッチしなくちゃいけないんだよ!?」
そうだ、ドラマでたまに見た事がある…男優と女優がベッドの中でうっふんあっはんとか言ってるシーンだ。
その様にしか想像できないヒカルには、所詮大人の男女のする事で、遠い世界の事なのだ。
子供の、まして男同士の自分達に出来る事とは夢にも思う事が出来ないのが小学6年生のヒカルと言う子供なのだ。
「好きな人同士なら、絶対することなんだよ。ボクのお父さんとお母さんも夜お布団の上でしてたよ。ボク見たもの」
「うそっ!?お父さんとお母さんもエッチすんの!?」
「そうだよ。だからボク達が生まれたんだって、保健体育の時間習ったじゃないか」
「そうだけど…でも、ウチのお父さんとお母さんがエッチすんの、想像できねー…」
「ボクもそう思ってた。でも夜中ボクがトイレに起きたら、お父さん達の部屋から声が聞こえたから、こっそり見て
勉強したんだ。本当だよ。お父さんとお母さんは愛し合ってるから、セックスするんだよ、きっと」
真っ直ぐに見詰め返すアキラが嘘をついているとは思えなかった。ただ、ヒカルはびっくりして何も言う事が出来なかった。
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