少年サイダー、夏カシム 7


(7)
「オレが言いたかったのは、赤ん坊にミルクをあげるように飲ませてくれっていう意味だ。それに
普通そう言ったからって・・・口移しでなんてしねェぞ!!」
和谷はそれを聞くと、ついにやってしまったかと、背中がサーッと冷たくなるのを感じた。
さっきの、あのヒカルの艶かしい姿。あのせいで理性がふっとんでしまったのだろう。和谷は唇を噛んだ。
二人を包む空気が異様なものに変わる。ヒカルは依然として怒りと軽蔑の目で睨んでいる。きっとここでどう言い訳しても、何も変わらないだろう。 
和谷は帰ろうと、黙ってヒカルに背をむけて立ち上がった。それと同時にドサッという音が後ろでした。振り返ると、ヒカルがベッドに倒れこんでいる。
「おい、進藤! 大丈夫か?」
急いでヒカルのもとへ駆け寄り、体を抱き起こした。
ヒカルの体はさっきよりも熱く、衣服は汗で体にはりついている。おまけに顔を覗き込んでみると、顔が赤くなっていた。熱が上がってしまったのだ。
和谷は急いでヒカルをベッドに横たわらせようとした。しかしヒカルの服が汗で湿って冷たくなっているのに気付く。このままの状態では余計ひどくなってしまう。
着替えが必要だと思い、和谷はヒカルの母親のもとに行き、新しい衣服とタオルをもらってきた。
せっかくお見舞いに来てくださったのに悪いわねと言う母親の前で、和谷は構いませんよと立派な好青年を演じてみせた。まるで自分は善人であるということを印象付けるかのように。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル