墨絵物語 7


(7)
「本当なら『モデル』に手は出さないんだが…キミは可愛いから特別だ」
両腕を縛っているタオルはそのまま、猿轡のみ取り外し、
男はヒカルを横抱きにする。
「い、やぁッ!」
ごろんとされるがまま転がる若くてみずみずしい肢体へ、
男は立派に勃ち上がった自分の半身をあてがい一気に押し進めた。
筆とは違う確かな感触に、ヒカルの内部が素直に反応し、同調する。
「はあ、んッ…ンン、」
「──気持ちイイかい?」
「イ、イ…もっと…ツヨクし、…て」
熱いものに擦られ、固いものに抉られる快感にヒカルの腰はとろけそうだ。
「じゃあ遠慮なくいくよ」
「…あああッ!!」
先ほどの倍のスピードで突き上げられ、ガクガクと身体が揺さぶられる。
それでも快感は底なしとばかりに身体中を支配し、ヒカルを何遍も喘がせる。
その声に煽られて、男の動きが益々激しくなる。
「クッ、」
「ひゃあッ!」
男が中に放ったと同時に、ヒカルも再度イッてしまった。

「今夜の事は誰にも話してはいけないよ…。キミも気持ちよかったんだろう?」
帰りしなそう言われ、ヒカルは顔を真っ赤にしながら逃げるように走り去った。
あっという間に消えた後ろ姿に男は楽しげな笑い声を上げると、
作品の出来栄えを確かめようとアトリエへ踵を返す。
黒地に聳え立つ朱色の砲身、そこから飛び出した白濁物が描く軌跡まで
的確に表現されている。
(今夜も傑作が誕生した…ありがとう、進藤君)


男の名は芹澤──囲碁のプロ棋士であると同時に、
美少年の局部を拓本にする趣味を持つ男。
“チン拓の芹澤”──そんな彼の素顔が明かされる日はやってくるのだろうか?


そして、何事もなかったかのように男は今日も墨を磨っている。




                <終>



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