ゲーム・マスター 7 - 8


(7)
「た…田中君、キミはいったい…何が目的なんだ」
息も切れ切れにアキラは田中に尋ねた。
「目的? だからさっき言ったじゃん。おまえの身体検査だって」
田中はそう言ってケラケラ笑うと、ぎゅっとアキラの股間を握り締めた。アキラは艶っぽ
い声を上げると、目を閉じてその痛みを耐えた。その姿は昨日よりも更に刺激的だった。
「なぁ皆見ただろう? こんな声出すのはやっぱり女かもしれない証拠だぞ」
「ふ…ふざけるなっ。ボクは男だ」
アキラは田中を睨んだ。だが田中はその言葉を待ってましたとばかりに喜んだ。
「委員長さん、あんな声出しといてオレ達が男だって信じられると思うか。まぁ、男だっ
て証拠を見せてもらえるなら信じてやってもいいが」
田中はそう言うとアキラの股間をわざとらしく握った。田中が何を意図しているかわかっ
たアキラは、耐え切れない屈辱に腹がたった。
「ボクが男だという証拠を出したところでキミ達に何のメリットがあるというんだ」
アキラは田中らが幼稚な考えを改めるようにと、まるで教師のような口調で言った。
「メリット? ハハハッ、そんなもんどうでもいいんだよ。これはゲームだ。とにかくオ
レらが楽めれば何でもいいんだよ」
嘲るように田中は笑う。アキラはそれを軽蔑するように睨んだ。
「いいね、その目。委員長さん、頭は良いのにそういうことは鈍いんだね。教えてやろう
か。そういう態度をとるともっと痛い目に合うってことをさ」
田中はアキラのズボンのベルトへ手をかけた。
「ヤッ! イヤー!」
アキラは叫び、もっている力すべてを使って暴れた。
「グダグダ言ってねーでさっさとチ○ポ見せろ!!」
教室にはアキラの叫びとともに、クラスメイトの下卑た笑い声が響いた。


(8)
抵抗らしい抵抗もできないまま、アキラはベルトを抜き取られ、ボタンを外された。
「おまえら、よーく見てろよ」
田中はそう言うとファスナーを下ろした。ジジッという音をたてながらおりたファスナー
の間から下着が見える。田中はそれをズボンごと一気にずりおろした。
クラスメイトは無言でそれを見つめた。やっぱりなとガッカリするもんだと思っていたが、
まだ毛の生えていない艶やかな白い肌をしているアキラのそこは、思わずふれてみたくな
るほどきれいで、自分たちのものとは異質なように感じられた。
田中はそっと手を伸ばしてそれを掴んだ。田中の指の感触をアキラは歯を食いしばって耐
えた。声を出せば更に行為がエスカレートするとわかったからだ。
田中は初めてふれる自分以外のものに興味津々だった。夢中になってそれを弄繰り回す。
「やっぱ本物だよな、それ」
佐藤はじっとそれを見つめる。
「本物かどうか自分でさわって確認してみろよ」
田中に手を引かれ、佐藤はためらいつつもアキラのそれにふれる。汗ばんだ手でそれを握
り締めた佐藤は、偽物じゃないか引っ張った。
「あ、引っ張っちゃヤダぁ…」
アキラは涙ながらに懇願した。だがその声で佐藤の体は一気に熱くなった。
「どうしよ、オレ。塔矢が男だってわかったのに…」
佐藤は股間を押さえて自分の欲望を止めようと必死になった。だがそうなっているのは佐
藤だけではなかった。
「おい、皆何マジになってんだよ。これはゲームだぞ、ゲーム。もっと気楽に楽しんでい
こうぜ」
教室の重苦しい空気に気づいた田中は、なんとかそれを取り払おうと明るく盛り上げる。
だが皆深刻そうな顔をして股間を押さえるばかりだった。
「よし、おまえら全員そこに並べ。これからゲームを始める」
呆れた田中は輪から抜け出ると黒板へ向かい、チョークでトーナメント表を書き始めた。
「題して“カンチョー選手権”だ!」
「“カンチョー選手権”?」
首をかしげるクラスメイトの前で、田中は楽しそうにルールを説明し始めた。



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