平安幻想異聞録-異聞- 7 - 8


(7)
痛みからのがれようと、ふたたび暴れだしたヒカルの体を
その体重を使っておさえつけ、座間は3本の指をヒカルの中でうごめかす。
舌はこんどはヒカルのふっくらとした幼さの残る頬を這いずっていた。
頬から耳へ、耳の裏も表も一通りねっとりとシャブリつくすと、
今度は耳の後ろから首筋へ。
ゆっくりと味わい尽くしてゆく。
その感触に嫌悪感を抱きながら、徐々にヒカルの息はあがっていった。
ヒカルの体奥深くで蠢く3本の指がそうさせるのだ。
痛みはひかない。むしろズキズキとヒカルの体をさらにさいなむ。
だが、秘門の中のその1点を攻められれば、人間の生理現象として、
快楽がその体を反応させるのだ。
「ほう、立ち上がってきておるではないか」
座間がヒカルのまだ幼いものをなでる。
ヒカルの体が朱にそまっているのは、もはや悔しさのためだけではなかった。
座間の中に入った人さし指が、グッとその場所を強くこすった。
「………っっ!」
ヒカルの喉から、喘ぎとも悲鳴ともとれる声があがって消えた。
ヒカルの中心部は本人の意思に反して更に立ち上がる。
「良き眺めじゃ。佐為殿も、この肴を食わずに据膳にしておくとは、
 まことに惜しいことをする」
言いながら、座間は腰をヒカルの太ももの間にいれてきた。
着衣をはだけると、そこには赤黒く太い蛇の頭のようなものが、
弓なりに天へむかって反り返っていた。


(8)
体の中からようやく引き抜かれた指にヒカルがほっと息着く暇もなく、
座間は腰を据えると、思い切りよくグイとその熱い鉾をヒカルの秘門に突き立てた。
痛みとその熱さにヒカルは身をよじって逃れようとするが、
座間はヒカルの肩をがっしりと地面におさえつけてそれを許さない。
そのままグリグリとかき回すようにして、座間のモノはヒカルの中に侵略してきた。
ヒカルは痛みに悲鳴をあげて首を振ったが意にかいして貰えるはずもなく、
やがて座間は、そのほとんどをヒカルの中に埋め込んでしまった。
痛みのための汗と涙でぐっしょりとぬれたヒカルの頬を、座間が薄ら笑いを浮かべながら
舐めあげる。
「ここまでくれば、極楽浄土は目の前だよ、検非違使どの」
言うが早いが、座間はゆっくりとその腰を揺すり始めた。
ただ抜き差しするだけではない。
ヒカルのイイ所をこすりあげるように、強く弱く腰を揺さぶる。
その刺激に、挿入の痛みで一度は萎えてしまったヒカル自身も、ふたたび頭をもたげ始めた。
体の奥深くまで侵入され、なんども熱いものでその部分を刺激されるうち、
ヒカルの下半身から痛み以上のものがはい上がり始めた。
裂けて血を流し続けている秘門はヒリヒリと痛みをうったえ続けていたが、
ヒカルの背筋を這い登るのは、今やそれ以上の……
「……あ…」
ヒカルの口から思わず知らず、小さな喘ぎ声が漏れた。
自分でもそれに気づいたヒカルは、あわてて喉の奥から込み上げてくるそれを
押さえ込もうとするが、一度、快楽を拾い始めた体はもう歯止めがきかなかった。
誰だって、痛みより快感の方がいいに決まっている。
ヒカルの体は痛みを忘れるために、神経を体の中心を擦られる快楽の方に
集中させることにしたらしい。
「どうやら、佐為殿の気に入りの検非違使の体は、快楽に素直なたちと見える。
 初めてでこれだけの反応をかえすとはのう」
座間のその言葉が悔しくて、ヒカルはせめて歯をくいしばって、漏れでる声を抑えようとしたが、
布を噛まされた状態ではそれもできず、ただ、喉からこぼれる、自分のものとも思えない
細いあえぎ声を聞くことしかできなかった。
目じりから流れ出る涙が悔しさの為のものか、快感の為のものか、
すでに自分でもよくわからなくなっていた。



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