やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん純情系〜 7 - 8
(7)
「ヒーロー? 笑わせないでくれよ。こんなバカで無力な者にヒーローなんて大役が務ま
るわけないだろう。そもそもヒーローに仕立てたのもボクの策略だ」
若゙キンマンも自分のものを抜き取ると、ヒカルたんを無造作に横たえた。
分身はその姿をカメラにおさめる。
「確か条件は町で一番かわいくて、明るく元気で人を疑うことを知らない純粋な子だっけ。
驚いたよ。こんな非の打ち所のない子がこの町にいたなんてさ」
ヒカルたんにいろいろな体位をとらせていくうちに、分身は撮影に夢中になった。
「あ、見て。あんなにやりまくったのに、若くて元気だからかな。もう元に戻ってる」
分身は感激しながらヒカルたんの菊門を撮影した。
「いいね、すごくそそられるよ。こんなかわいい子が実はひどい淫乱だなんて。よくここ
まで教え込んだよね。だけど我ながら恐ろしいよ。嫌がって泣き叫んでいる子に無理やり
なんてさ。よっぽどの悪党でなきゃできやしない」
「何が言いたいんだ?」
若゙キンマンは分身を睨んだ。
「そのままの意味だけど、何か?」
分身はその様子を見て、クスクスと笑った。
(8)
「情に訴えて純粋な子を騙すなんて姑息なやり方、頭脳明晰で冷酷なキミならやって当然
なのかと思ってたけどね。けれど違った。さっきのキスシーンを見てやっとキミの本心を
理解したよ。でもまさかこんな低レベルの失敗を犯すとは思いもしなかったから、今でも
信じられないんだけどね」
「失敗? このボクが何を失敗したというんだ? それにおまえは何か勘違いしている。
まるでボクがこの者を好いているとでも言いたいみたいだな」
不遜げに言う若゙キンマンを見た分身は、ヒカルたんにわざとキスをしようとした。しかし
ものすごい形相で睨む若゙キンマンの殺気を確認するとやめた。
「キス一つでそんな顔をするなんてキミらしくないよ。まぁ仕方ないね。この子がキミに
恋するなんて全くの予定外だったし。どんなに酷いことしても、こんなにもまっすぐに愛
されちゃったら、キミが情に流されるのも無理ない」
「黙れ!!」
怒りをあらわにした若゙キンマンは、分身を消す呪文を唱える。
「怒らないでくれよ。言っておくが、ボクはキミの分身なんだ。今の言葉も皆、キミが心
のどこかで思っていることなんだから…」
そう言って嘲るように笑うと、分身は姿を消していった。カメラがコトンと地面に落ちる。
一人になった若゙キンマンは、眠っているヒカルたんを睨む。
若゙キンマンはヒカルたんに跨ると、首を絞めた。
「ボクがキミを好き? ふざけるな。今までずっと好きでいるフリをしてきたんだから」
若゙キンマンは自分に言い聞かせるようにそう言うと、手に力をこめた。けれどもすぐにや
めた。
そして混乱する頭を抱えながら若゙キンマンがとった行動は、スヤスヤと眠るヒカルたんに
愛しそうに口付けをすることだった。
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