失着点・龍界編 70
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「ボクを…嫌いにならないで…嫌いにならないで!…進藤…」
激しくしゃくりあげ、声をあげてアキラは泣き続けた。
「何言ってンだよ」
ヒカルはアキラの背中をあやすようにさする。
「塔矢を嫌いになるわけないだろう。…嫌いになれるわけないじゃないか」
ヒカルはアキラの涙で濡れた頬を両手で持ち、自分と目を合わさせる。
額と頬にキスをする。アキラの額に自分の額をくっつける。
「…本当に…?」
少しだけアキラは落ち着きを取り戻し始めた。頭に巻かれた包帯が痛々しい。
「ほら、大人しく寝ないと、傷が開いちゃうよ。オレがついていてやるから」
ヒカルはアキラを寝かし付けるように胸を撫でた。
「…進藤…」
「何?」
「…来て…」
「…!」
ヒカルは一瞬、戸惑うようにアキラを見た。
「…でも…塔矢…」
アキラは真直ぐにヒカルを見つめて来る。その両目から止めどなく涙が溢れて
頬を流れ落ちて行く。ヒカルが指で拭っても拭っても追い付かなかった。
するとアキラの方からヒカルに覆い被さって来て、ヒカルの腫れ上がった
顔半分や痣が出来ている箇所にキスをし始めた。体を震わせながらヒカルの
両手首の包帯の上にもキスをし、切れた唇の端を一心に舐める。ヒカルの傷を
少しでも癒そうとするように。アキラの温かい舌がたまらなく愛しかった。
急激にヒカルの体芯が熱く高まり脈打った。
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