初めての体験 75
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佐為は、ヒカルの真剣な表情を見る度、自分に生身の肉体がないのを悔やんでいた。
普段は、あどけないヒカルが碁盤の前では、別人のように凛々しい。
『ああ……私に身体があったら……ふぅ………
こんな風に眺めるだけで満足なんて絶対にしないのに……』
あんなことや、こんなこと――――――口ではとても言えないことを、この無邪気な少年に、
施して、泣かせてみたい……。
佐為は、優しく美しいその笑顔の下に、激しい欲望を抱いていた。しかし、それは不可能だった。
佐為の想いは募る一方である。 そんな佐為の情欲が、ヒカルの身体に影響を与えていたのだ。
『なんか…オレ…碁を打っていると…いつも変な気持ちになる…なんで…?』
ヒカルは、正座した足をムズムズさせた。
佐為は、自分の身体の変化に戸惑っているヒカルの困ったような顔を見て、ますます、
興奮した―――――表面上はあくまでも、穏やかで優しい姿だった。その佐為の興奮が、
またヒカルに伝わって……。悪循環であった。
とうとうヒカルが泣き出した。自分では、どうにも出来ない身体の疼きに、
耐えられなくなってしまったのだ。
「佐為……オレ…何か…変なんだよお…碁を打っていると身体が…熱くって…
どうしよう…どうしたらいいの…さいぃ……」
ヒカルが、身体を捩らせながら訴えた。愛らしい口は、ハアハアと喘いでいる。小さな
手はズボンの前を押さえていた。
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619 :初めての初めてsage :02/07/31 21:40
佐為は口元に、美しい笑みを湛えて言った。
「ヒカル……それはヒカルが本当の碁打ちだからです。ヒカルの碁に対する
想いが身体に快感を与えているのです。碁を打っていると、気持ちいいんでしょう?」
佐為の適当なウソ解説に、熱い身体を持て余して、悶えているヒカルは妙に納得してしまった。
「快感……てわかんないけど…気持ちいい…ような…悪いような…」
「でも…身体が熱くて堪んないよぉ……ねぇ…佐為…何とかしてよぉ……」
ヒカルは、熱い吐息で切れ切れになる言葉を、何とか吐き出し、佐為の次の言葉を待った。
「ヒカル――――では、私の言うことを聞きますか?」
神妙な顔で告げる佐為に、ヒカルは頷いた。
「どんなことでも――――ですよ?」
ヒカルは何度も何度も頷く。佐為の言うとおりにすれば、このヘンになった身体が治るのだ。
「では、着ている物を全部脱いでください。下履きも全部。」
佐為が託宣でも授けるように、厳かに告げた。
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