失着点・龍界編 76


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ヒカルは緒方の横顔を見つめた。
「人を信じれず空虚な中で石を持っていた。そんな時代がオレにもあった。」
「…そうなんだ」
「そう言えば、進藤」
緒方はようやく完治した指でタバコを取り出し、火を点ける。
「その三谷がこう言っていたんだが…。大切なのは“居場所”じゃなくて
“誰と一緒に居るか”だって気付いたって…その“誰か”を自分も
見つけるってな。そう進藤に伝えて欲しいって。…意味分かるか。」 
ヒカルは嬉しそうに頷く。

事件後間もなく、ヒカルは和谷と伊角に助けてくれたお礼を言うために
会った。そして彼等から、一足先にアキラが礼を言いに来たという話を
聞かされた。そのわりに和谷がひどく不機嫌だった。
伊角が言うには、アキラがその時、
『けれども君たちと進藤の件に関しての事を許すつもりはない』
と言い切ったらしい。思わずヒカルは苦笑いする。
「オレは別に許して欲しくて助けたわけじゃねーよ!第一塔矢じゃなくて
オレは進藤を助けに行ったんだ!!」
ままあ、と伊角が和谷をなだめる。
「…ごめん…」
ヒカルがアキラに代わって謝った。
「進藤…オレ達がお前にしたことはなかった事には出来ないというのは
良く分かっている。」
伊角が神妙な面持ちでそう切り出し、ヒカルは息を飲んだ。



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