初めての体験 76


(76)
 ヒカルは佐為の言うとおり、全て脱ぎ去り一糸纏わぬ姿になった。もともと、いつも佐為に
見られているので、それに対する羞恥心は全くなかった。ヒカルは、自分のその無防備な様が、
佐為の情欲を煽り、現在、自分の身体に変調を来している原因だと知らなかった。

「佐為……ヘンだよ…オレの…腫れてる…病気かなぁ?」
ヒカルが、半分泣きそうな顔を佐為のに向けた。佐為は笑い出しそうになるのを堪えて、
わざと厳めしく告げた。
「大丈夫。私の言うとおりにすれば、すぐに治りますよ。」
ヒカルはコクンと小さく頷いた。その仕草の可愛らしいことと言ったら……。
 佐為は、ヒカルにベッドに腰を掛けるように命じた。そして、自分はその後ろにまわった。
佐為は、ヒカルを後ろから抱きかかえるようにして、まだ幼いヒカル自身に触れた。
実際は、佐為はヒカルには触れられない。触れたように見えただけだ。
「やだ…佐為…」
それなのに、ヒカルは小さく悲鳴を上げた。
 佐為がヒカルに触れた―――ヒカルにはそう見えた―――瞬間、身体に電気が走ったのだ。
佐為は、そのまま繊細な指先でヒカル自身を嬲り始めた。触られてもいないそこが、段々
熱くなっていく。
「あ…やぁ…やめてよ…」
「ヒカル…よく見て…私がやるのと同じように…自分でやるんですよ…」
佐為の言葉に頷くと、ヒカルはおずおずと自分自身に触れた。
「ふぁぁ!」
直に触れると、ものすごい快感が背中を駆け登っていった。



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